飛ぶ鳥の明日香、奈良県明日香村~古代の歴史、万葉集、謎の石造物など見どころたくさんの散策コース
奈良飛ぶ鳥の明日香、奈良県明日香村~古代の歴史、万葉集、謎の石造物など見どころたくさんの散策コース
万葉集に「飛ぶ鳥の明日香」と詠まれる、奈良県明日香村。 古代のおもかげをそのまま残す明日香村は、四季折り折りに美しい風景で訪れる人を楽しませてくれます。 しかし、古代には飛鳥川の水を豊富に取り込んだ迎賓館的な施設があり、様々な石造物が置かれていました。また、古代のコンビナートとも呼ばれる巨大な工場で富本銭の鋳造が行われ、公害対策もされていることが分かってきたようです。 そして、女帝斉明天皇は土木工事好きで知られ、狂心の渠と呼ばれる古代の土木工事跡も見つかっています。 明日香村は、日本の政治の始まりの地でありながら、現代の私たちに新たな発見を提供し続けてくれる、大変魅力的な土地です。 緑豊かで、鳥の声もさわやかな明日香の地を、徒歩で、レンタサイクルで、亀バスで、散策してみてはいかがですか?
近鉄電車で飛鳥駅に着きました。さあ、ここから、飛鳥の散策です。
明日香村総合案内所
駅前に案内所「飛鳥びとの館」があります。 明日香村の地図がおいてありますので、もらって行きましょう。 駅前には、トイレがありますので、是非寄りましょう。 案内所のとなりにはレンタサイクルのお店があります。 どうやって回るか、ここでよく考えてから出発するとよい思いますよ(^○^)
亀バス
明日香村の中を走るバス。 うまく利用すれば、効率的に回れるかも。コースと時刻表をよく確認してください。
飛鳥駅から地図を頼りにしばらく行くと、欽明天皇陵と吉備姫王墓が並んであります。吉備姫王墓を正面に回り込むと、猿石があります。ビミョーなお顔をしていますよ。
猿石
こちらも猿石。 どれもビミョーなお顔。 誰がモデルだったんでしょうかね?
道しるべ
明日香村内は、道しるべが整備されています。迷うことなく、次の目的地に行くことができますよ。 猿石を過ぎたら、次は鬼の俎(まないた)、雪隠(せっちん)へ向かいます。
もともと、終末期古墳の石室だったものが、上の部分がくるんとひっくり返って斜面の下におちてしまい、トイレに見えてしまったことから、こちらが雪隠(せっちん、トイレのこと)と呼ばれるようになったようです。 いつの時代からそう呼ばれていたのか、わかりませんが、想像力が豊かというか、素朴というか、、、、
鬼の俎(まないた)
こちらが、斜面の上にある、鬼の俎です。 鬼がこのまな板を使って料理をして、下にある雪隠で用を足したということのようですよ。
鬼の俎、雪隠を過ぎると、まもなく天武・持統天皇陵が見えてきます。ご夫婦の二人の天皇が合葬された陵です。 持統天皇は、天皇として初めて火葬された方です。
遊歩道からの陵
遊歩道からだと、ここは道しるべが分かりにくい。このような小山が見えてきたらそれが陵です。手前に小道があるので、そこから行けます。見過ごさないでね。陵の正面は、ここから見ると右側になります。
この可愛らしく、しかし巨大な石は、亀石と呼ばれています。 どうやら、顔と手だけしか彫ってもらってないように見えますね。 以下、この石にまつわるお話です。(案内板の書き抜きです) 「昔、大和が湖であったころ、湖の対岸の当麻と、ここ川原の間に喧嘩が起こった。長い喧嘩の末、湖の水を当麻にとられてしまった。湖に住んでいた沢山の亀は死んでしまった。何年か後に亀を哀れに思った村人たちは、亀の形を石に刻んで供養したそうである。今、亀は南西を向いているが、もし西を向き当麻を睨みつけた時、大和盆地は泥沼になるという。」 西に向けないように、気を付けなくてはならないですね!?
聖徳太子の誕生地で、橘の宮という欽明天皇の別宮があったところだそうです。太子殿の中には、聖徳太子孝養像などが安置されています。
二面石
飛鳥に数多くある、ナゾの石造物の一つです。 人の心の善悪二面を表したものと言われています。
塔の心礎
花びら状の半円形の穴は 添え柱です
観音堂、如意輪観音
観音堂には、こんなに美しい如意輪観音がいらっしゃいます。 重要文化財です。
道端のお地蔵さん
橘寺を入ってきた時と反対側の門から出ると、道端に小さな石のお地蔵さんが、、、平和な気持ちになります。
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橘寺の向かい側にある、川原寺。 ここの礎石は、30年以上まえからプラスチックで、歩くとボコッと音がしますよ。面白いので試してみてください。
さて、次は西国七番霊場岡寺に向かいます。 石舞台古墳に行かれる方は、この時点で石舞台古墳を目指しましょう。(私は、この時はスルーしてしまいましたが)
岡寺への参道
犬養万葉記念館の脇の上り坂を岡寺にむけて登ります。息を整えて、頑張りましょう。
如意輪観音
岡寺の巨大な如意輪観音は塑像です。色白な観音さまですよ。
さて、岡寺につく前に、坂の茶屋でお昼ごはんです! ここは、40年近く、ご夫婦でやっているお店で、にゅうめんが美味しいですよ。店内には、開店当初からお客さんが書いた色紙がびっしり。私も、三十年近く前に、大学のサークルで来た時の色紙を見つけることができました!今でも、色紙を書かせてくれるので、是非旅の記念にお名前を残しておきましょう!!
にゅうめん
山菜ごはんがついてきます。 美味しい昼食で、疲れをとってください。
わらびもち
これも、とても美味しいです。ぜひ、ご賞味あれ。
岡寺から降りてきたら、飛鳥寺の南に位置する、飛鳥京遺跡を通ってみたいものです。もともと、斉明天皇の伝板葺宮遺跡と呼ばれていたこの地は、最近の発掘により、沢山の新しい発見があったようですよ。 どうやら、3期にわたり、ミルフィーユ状に遺跡が重なっているらしいのです。 そして、このあたり、昔の迎賓館的な場所だったようですよ。飛鳥川から引いた水が豊富にながれ、石造物がおかれていたようです。
昔の都の想像図
飛鳥川から引いた水で、このような都がこの場所にあったんですって。
岡寺から、下に降りてきたら、次は万葉文化館に寄ってみましょう。この場所のちょうど下に、飛鳥池遺跡が埋まっています。建物内部の渡り廊下から、遺跡のレプリカが一部見られます。ここが、古代の工房跡で、金属などを扱った炉跡があり、ガラス、玉、漆製品なども造っていました。 古代のコンビナートです。多少の公害の知識もあり、水の不純物を沈殿させて、飛鳥川に戻すなどの公害対策もされていたそうです。
せんとくんが入口でお出迎え
このよそ見しているせんとくんが、かわいいですよ。
酒船石
万葉文化館裏手にある、ナゾの石造物です。 何のために使われた石か、考えてみませんか?
亀型石造物
こちらも、万葉文化館裏手にあります。ごく最近発掘されたナゾの石造物です。
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飛鳥の中心にある、飛鳥寺。 ここをはずすわけにはいきません。 小さなお寺ですが、歴史の古いお寺です。
飛鳥大仏
鞍作鳥の作と言われる最古の金堂仏。右側と左側で表情が違います。従来、補修を積み重ねた痛々しいお像とされていましたが、全部造られた当初のお像だという説もでてきたようです。 この大仏、制作当初からこの場所を動いていないんですって!じっと座る金堂仏のギネス記録が取れそうですね。
飛鳥寺全景
今は小さなお寺ですが、こじんまりしていていいお寺ですね。
蘇我入鹿首塚
あの有名な大化の改新(645年)で、伝板葺宮から、蘇我入鹿の首がここまで飛んできたとか、来ないとか、、、
飛鳥寺を西に出て、甘樫丘に向かう途中、道が飛鳥川と交差する手前に比較的新しく発見された水落遺跡があります。 ここは、天智天皇が日本ではじめて造った水時計のあった場所です。
水落遺跡を過ぎ、飛鳥川をわたり、右手に雷(いかずち)の丘を見ながら、左手の甘樫丘に登ります。 ここから見る、飛鳥や大和三山、二上山の遠景は、言葉を失うほどの美しさです。 是非とも、頑張ってのぼって、絶句してください。
犬養孝万葉歌碑
甘樫丘の階段状の山道の中腹に、万葉学者犬養孝さんの万葉歌碑があります。 「采女の袖吹き返す明日香風都を遠みいたづらに吹く」
大和三山を望む
甘樫丘頂上より北側遠望。手前に雷の丘、飛鳥川がその手前をぐるりと流れる。むこうには、耳成山、天の香具山が見えます。美しい景色です。
畝傍山、二上山
手前に剣池、その向こうに畝傍山、その向こうにうっすら二上山。 これが、一番言葉を失うほどの美しい光景。 甘樫丘を降りたら、亀バスなどをうまく利用して、橿原神宮前駅か飛鳥駅に戻りましょう。 おつかれさまでした。