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展覧会開催!舘鼻則孝の新作個展『BEYOND THE VANISHING POINT』全37点で構成

2018年10月20日(土) 〜 2018年12月1日(土)

ポイント!
  • レディー・ガガの履くヒールレスシューズなど37点が展示
  • 中心となる展示は「消失点」を主題とした作品シリーズ
  • 刀匠・河内國平氏が作刀した日本刀がモチーフの作品も

©2018 NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION
©2018 NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION

舘鼻則孝の個展「Beyond the Vanishing Point」が10月20日(土)より開幕。
会場となるKOSAKU KANECHIKAは、品川・天王洲の新たなアートスポットとして、気鋭のアートギャラリーが集まるTERRADA Art Complex 5階にスペースを構えている。

舘鼻の新たな創作テーマである「バニシング・ポイント」に焦点を当てた展覧会として、日本屈指の刀匠 河内國平氏の日本刀を用いた彫刻から、レディー・ガガの履くヒールレスシューズの新作まで、全37点で構成されている。

本展の中心となる作品は、展覧会名にもなっている新作の『Vanishing Point Series』を始め、日本屈指の刀匠である河内國平氏の日本刀を用いた彫刻作品『Void Sculpture Series』が、圧倒的な存在感を放っている。
また、近年精力的に取り組んでいるペインティングからも『Cloud Painting Series』が新たに加わり舘鼻の更なる進化を感じさせる展覧会となっている。

Vanishing Point Series, 2018

Noritaka Tatehana, Vanishing Point Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION
Noritaka Tatehana, Vanishing Point Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION

Noritaka Tatehana, Vanishing Point Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION
Noritaka Tatehana, Vanishing Point Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION

Noritaka Tatehana, Vanishing Point Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION
Noritaka Tatehana, Vanishing Point Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION

「消失点」を主題とした作品シリーズ。ミラーガラスの屈折を応用して、透視図法におけるパースペクティブを表現した。会場に展示された3種の作品には、モチーフとしていずれも雲が描かれている。これらは境界線を示しており、舘鼻の考える様々な対称要素との関係性を暗示している。

舘鼻のコメント

「消失点」の探求は、私の創作活動の中でも大きな役割を担っている。それは、自分と他人、記憶と現実、そして生と死などの様々な主題に対して一対の視点を定め、作品がその境界線を示す。消失点の向こう側に立つもうひとりの自分への興味が作品を生み出す原動力であり、作品はもうひとりの自分と向き合うための装置なのかもしれない。

Void Sculpture Series, 2018

Noritaka Tatehana, Void Sculpture Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION
Noritaka Tatehana, Void Sculpture Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION

アクリルの塊の中に、その姿を質量の無い空洞で表した彫刻作品『Void Sculpture Series』の新作として披露されたモチーフは、日本屈指の刀匠として知られる河内國平氏が作刀した日本刀。
本シリーズは、フランスの哲学者ロラン・バルトの「表徴の帝国」から導かれた

舘鼻のコメント

「ロラン・バルトの『表徴の帝国』にもあるように、日本の中心に位置する皇居は都市の中の虚(うろ)とも言うべき記号化された存在として、日本のハイコンテクストカルチャーの象徴と言うことができる。アニミズムにおける『依り代(よりしろ)』や『神籬(ひもろぎ)』という言葉が日本にはあるが、これらは神域を意味している。また、姿を持たないそれらは全て形代(かたしろ)としての身代わりによって示される。したがって、それらは虚[void]によって常に表現されているということになる。」

河内國平氏のコメント

奈良県無形文化財保持者として、河内國平氏は現在においても吉野にある無玄関(むげんかん)と名付けられた自身の工房で作刀を続けている。舘鼻との共作について、河内氏は以下のように語っている。
「長い日本刀の歴史の中で帯刀と保存のための鞘はその原型をほとんど変える事は出来なかった。しかし、その外観の装飾には柄頭に鳥頸をかたどったり鞘や尻鞘に外国産の虎や豹の尾を使うことで、それまでにない斬新さを競ったり権威を表したりし変化を遂げてきた。今回の舘鼻氏の彫刻作品はその範疇を超えて、現在の日本刀を鑑賞、保存、装飾品として存在させる画期的なものである。」

Cloud Painting Series, 2018

Noritaka Tatehana, Cloud Painting Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION
Noritaka Tatehana, Cloud Painting Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION

アクリルペイントが施された『Cloud Painting Series』は、そのシルエットからもわかるように雲形の絵画作品。本展においても全体を通して、作品のモチーフとなっている雲は、舘鼻の初期作品からも見受けられる特徴的なモチーフ。
元来、日本画においては仏の乗り物として、来迎図の中で描かれてきた雲。舘鼻はその雲を「生と死」の境界線として捉え、作家として掲げる大きな主題との関係性を示した。

Hairpin Series, 2018

花魁のかんざしから着想を得た『Hairpin Series』の最新作品として披露された本作の特徴は、手仕事による箔貼りと研ぎ上げられた塗装にある。
完成まで数ヶ月を要する本作は、木工家の仕上げた下地にプラチナの箔貼り施し、トップコートとして幾度となく重ねられたウレタンコーティングは、職人の手によって研ぎ出され素材の持つ深い色味を際立たせる。
過去に螺鈿や漆などの工芸的な原材料にこだわってきた本シリーズならではの表現と言える。

Heel-less Shoes Series, 2018

Noritaka Tatehana, Heel-less Shoes Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION
Noritaka Tatehana, Heel-less Shoes Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION

舘鼻の代表作であり、レディー・ガガの履くことでも知られる『Heel-less Shoes Series』は、エンボスレザーからミラーコーティング、クリスタルガラスまで様々な素材で加飾された10足が直線上に展示されている。
これらは、2017年にニューヨークのMoMAで開催された展覧会「Items: Is Fashion Modern?」に、舘鼻のヒールレスシューズが展示をされた際の厚底靴の変遷を辿った展示構成へのオマージュでもある。

アーティストプロフィール 舘鼻 則孝(たてはな のりたか)

Portrait of Noritaka Tatehana, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION
Portrait of Noritaka Tatehana, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION

1985年、東京生まれ。歌舞伎町で銭湯「歌舞伎湯」を営む家系に生まれ鎌倉で育つ。シュタイナー教育に基づく人形作家である母の影響で幼少期から手でものをつくることを覚える。
東京藝術大学では染織を専攻し遊女に関する文化研究とともに友禅染を用いた着物や下駄の制作をする。卒業制作であるヒールレスシューズは花魁の下駄から着想を得たものである。
近年はアーティストとして展覧会を開催する他、伝統工芸士との創作活動にも精力的に取り組んでいる。
2016年3月には、仏カルティエ現代美術財団にて人形浄瑠璃文楽の舞台を初監督「TATEHANA BUNRAKU : The Love Suicides on the Bridge」を公演した。
作品はニューヨークのメトロポリタン美術館やロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館など、世界の著名な美術館に永久収蔵されている。
2018年9月には東京・九段「旧山口萬吉邸」にて個展「NORITAKA TATEHANA RETHINK―舘鼻則孝と香りの日本文化―」を3日間の限定公開により開催した。

###オフィシャルウェブサイト
http://www.noritakatatehana.com

開催場所

イベント情報

舘鼻則孝個展 “BEYOND THE VANISHING POINT”(ビヨンド・ザ・バニシング・ポイント)

開催期間

2018年10月20日(土) 〜 2018年12月1日(土)

開催時間

11:00〜18:00(火・水・木・土)
11:00〜20:00(金)
[日・月・祝は休廊]

写真一覧

  • Portrait of Noritaka Tatehana, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION
  • Noritaka Tatehana, Void Sculpture Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION
  • Noritaka Tatehana, Hairpin Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION
  • Noritaka Tatehana, Cloud Painting Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION
  • Noritaka Tatehana, Vanishing Point Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION
  • Noritaka Tatehana, Vanishing Point Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION
  • Noritaka Tatehana, Vanishing Point Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION
  • Noritaka Tatehana, Vanishing Point Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION
  • ©2018 NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION
  • Noritaka Tatehana, Heel-less Shoes Series, 2018, ©NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION