本郷堰の跡
東京都中野区弥生町5丁目8-20江戸時代、毎年4月から9月まで水田用水を取る堰が築かれていた。
この堰から、幅約2mの用水堀が流れ、水田を灌漑していた。
田植が始まる前の4月、農家の住民が集まり、水堀の手入れをしてから、川岸の葦を編んで川に渡してある大丸太にかけ、堰をつくって堀へ水を分流した。
この堰のあたりは、行者が潔斎をする神聖な場所とされ、毎年5月6日、「ぼんぜん(ぼんてん)」として行者の水あび修行のあとその御幣を各戸へ配ったとか。
大正時代、用水堀には、どじょう、ふななどが群れ、螢が舞っていたとか。
現在、護岸工事によって神田川の岸が高くなり、堀も埋め立てられて姿を消した。