奈良散歩
私が好きな散歩道が沢山あります。 例えば、 東大寺南大門をくぐり、鏡池を右に折れて小高い丘を登り二月堂へと向う。今でも、そこを初めて訪れた時の感動を忘れない。 今は、丘を登る道がコンクリートになっているのが残念であるが、それも少しあがり右に折れれば、昔のままの石段が続く。その石段を登るにつれて、大きな釣鐘が石段の上に見えてくる。振り返れば、東大寺大仏殿の東側面を木陰の中に見る事ができる。 次の石段を更にあがると三月堂の美しい景観が前面に広がってくる。石段を登りきれば、二月堂、三月堂そして四月堂に囲まれた空間に自分が包まれていることに感動を覚える。 滲み出た汗をふき、二月堂へあがる。大仏殿の屋根から吹き上げてくる風を全身に浴びて、この小さいがとても美しい世界を体中で感じとることができる。とても幸せな瞬間である。 二月堂を降り、石塀に囲まれた小道をあるいて鏡池へと戻る。世界に自慢できる空間だと確信する。
室生寺
室生寺
長谷寺
紫式部 「源氏物語」 初瀬街道と長谷寺散歩 与謝野晶子が翻訳した源氏物語を読む機会があり、美しい長谷寺の風景と出会いました。旅姿の姫が小高い参道をのぼる姿がそこにある。 訳があって筑紫に住む夕顔の姫が、母である夕顔に逢いたく筑紫から船で京都へ、そしてあてもなく九条に落ち着く。母への逢瀬を願って岩清水神社や長谷寺に詣でている。 初瀬街道を東に歩いて長谷寺を訪れる途中の椿市でかつて夕顔に仕えていた右近と同じ宿で偶然出会う。右近は、夕顔の姫に逢瀬できる事を長谷寺に祈願する途中であった。姫は、母の死を知る。 そんな風景が見たく筑紫から船で大和に降り、初瀬街道を東に抜けて長谷寺を訪れました。
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