オシャレじゃないけどディープではある神楽坂ガイド(南編)
東京オシャレじゃないけどディープではある神楽坂ガイド(南編)
神楽坂…23区内でも最強クラスのお散歩スポットとして人気を博している町。 でも真新しいオシャレスポットばかり追いかけ、昔ながらの老舗を見逃しちゃいませんか? そこでオシャレじゃないけどディープではあるような神楽坂の店々を追っかけてみました。 この「南編」では大久保通りから南側にある店をピックアップしています。
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神楽坂の裏町にヒッソリと佇む小さなホテル。 だがしかし、そのクオリティは“隠れ家”と呼ぶに相応しいレベルです。 もちろん客室だけでなくレストランやエステサロンも備えています。 大きな宴会場も備えているので、ここで結婚式も挙げられますよ。 ここでは「お散歩」スポットということで、食堂を中心に紹介します。
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ティーラウンジ
こじんまりとしたホテルに似つかわしい、落ち着いた感じのラウンジ。 こうした形で利用できるホテルが神楽坂にはないので、有り難い存在です。 コーヒー、紅茶、ケーキ、軽食などのほか、プチギフト付のアフタヌーンティーセットがオススメ。 だがしかし、営業時間は午前10時から午後6時と短く、午後5時半にはラストオーダー。 日曜日のみ午後8時まで、ラストオーダー同7時。 利用の際は営業時間に気をつけて下さい。
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フレンチレストラン「ラ・コリンヌ」
ホテルロビーから奥に連なる形で設えられた、開放感あふれるフレンチレストラン。 ランチとディナー、両方で営業しています。 ホテルのフレンチにしては、どちらも値段が手頃です。 また、モーニングブッフェも平日に限り宿泊客以外でも利用できます(でも混んでる時は無理)。
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バー「オントレ・アー」
ピアノの生演奏が楽しめるホテルバー。 まさに「隠れ家」と呼ぶに相応しい雰囲気が特徴です。 ピアノの生演奏は午後8時/9時/10時からの3回。 ドリンク類の値段も街場のショットバーと大して変わらないので、神楽坂散歩の締めくくりに利用するのにもってこいかも。 フード類も「ラ・コリンヌ」で調理しているので充実していますよ。
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コンフェクショナリー「ル・コワンヴェール」
ホテルの建物に隣接している直営パティスリー。 生ケーキ、焼き菓子、ギモーヴなど、神楽坂に相応しい洋菓子が並びます。 シェフパティシエは仏ノルマンディーで修行を重ねた実力派。 2011年公開の映画「洋菓子店コアンドル」で製菓監修も務めたそうですよ。
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神楽坂下交差点から坂を少し登った右側にある甘味処。 神楽坂散歩には欠かせない老舗中の老舗です。 創業は江戸時代末期の文久・慶応年間。 明治時代初期に料理店「紀の善・花蝶寿司」となり、戦後の1948年に甘味専門店「紀の善」へ転業しました。 老舗ならではの味わいと個性的なメニューが今も多くのファンを引き寄せて続けています。
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名物は「抹茶ババロア」
メニューは甘味処の定番「あんみつ」。 特にアイスクリームと組み合わせた「クリームあんみつ」が人気です。 名物は「抹茶ババロア」。 ババロアと生クリームに、なぜか餡が添えられているのが名物たる由縁。 もちろん「おしるこ」と「ぜんざい」も両方あります。 雑煮、赤飯、釜飯など食事もとれますよ。
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紀の善の角を曲がると「神楽小路」という細い路地が続きます。 その中ほどにある、知る人ぞ知る居酒屋の名店。 看板に「山形」とあるように、山形料理の店と謳ってます。 メニューは牛を中心とした肉料理が充実しており、刺し身や焼き魚など魚料理もあります 特にこだわっているのが調味料。 和三盆、千鳥酢、三ツ星醤油、仙台味噌、三河味醂など、日本中から取り寄せているとか。 酒は日本酒が中心。 「“いい酒”は世界に誇れる日本民族の文化」を標榜するだけに、店主が厳選した日本酒がズラリと並びます。
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なぜか店内に松井秀喜のユニフォームが!?
壁には一面、絵が描かれています。 青森在住の絵師、鈴木秀次さんの手書きとのこと。 子供が昔ながらに遊んでいる絵を眺めつつ飲む酒は、より味に深みが増す…気がします。 また、店内には何故か松井秀喜のユニフォームが飾られた一角が。 松井は巨人でデビューした当初からこの店の常連で、今でもたまに足を運んでいるとかいないとか。
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神楽坂に店を構えて半世紀。 関西風「名代うどんすき」が名物の老舗和食店です。 神楽坂沿いで毘沙門天前にある本店と、裏手に入った「芸者小道」にある別亭の2店舗。 本店は目立つ場所にあるので、ここでは神楽坂らしい風情を湛える別亭を取り上げました。
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別邸の名物はランチの「親子丼」!?
看板メニュー「名代うどんすき」の特徴は、うどんの極太さ。 ランチでも供されているので気軽に味わえます。 ランチメニューで人気なのは、本店が鶏肉をすき風に調理した「とりすき丼」。 別亭が今や神楽坂名物と謳われる「親子丼」。 リーズナブルな値段の割に美味しいと評判です。
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神楽坂を登っていくと中程に佇むガラス張りのオシャレなお店。 オシャレに見えても神楽坂でも指折りの老舗中華料理店です。 創業は大日本帝国憲法が公布された1889(明治22)年とのこと。 初代が創業したのは寿司屋でした。 それが関東大震災を機に1階を寿司店、2階を中華料理店に分離。 戦後、食中毒が流行したのを機に中華料理一本となり、現在の4代目に至ります。 という創業百年を超える老舗なのですが、店構えも料理のメニューにも古臭さはありません。 気軽に楽しめるカジュアルな広東料理店です。 1階はテーブル席、2階は個室とテラス席。 テラス席では神楽坂を見下ろしながら舌鼓を打てますよ!
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ランチタイムもリーズナブル!
ランチは日替わり定食や担担麺、五目焼きそばなどをリーズナブルな値段で。 ディナータイムは土鍋で煮る麻婆豆腐、海老とアボガドの炒飯、初代から受け継がれている伝統の味つゆそばなど。 老舗の味をソコソコの値段で楽しめますよ。
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神楽坂を登って行くと右手に肉まんでおなじみの中華料理店「五十番」が見えてきます。 その角を曲がると「本多横丁」という、横丁にしては広目の道が伸びています。 曲がってすぐ左側に佇む一軒の古びた柳川どぜう屋。 一見なんてことのない古ぼけた店に見えるも、侮るなかれ! 1948(昭和23)年7月創業という老舗の鰻屋さんなのです。 この店は故ジョン・レノンがオノ・ヨーコと共に訪れたことで一躍有名になりました。 また「芸術は爆発だ!」でおなじみ(?)の故・岡本太郎も訪れ、色紙にサインをしたためております。
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深蒸の後に焼く江戸流の鰻を堪能!
とはいえ老舗にありがちな気取ったところなどなく。 ざっかけない“下町の鰻屋”の雰囲気を今も醸しています。 ここのタレは開店以来継ぎ足されてきた伝統の味。 とはいえ「秘伝」というほどのものでもなく、同量の醤油と味醂だけで調味されたシンプルなものだとか。 充分に蒸されて焼かれた鰻は柔らかく、食事でも、酒のアテにも最適です。
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神楽坂を間に挟んで毘沙門天の向かい側に立つ、なんてことのないお煎餅屋さん。 …のように見えますが、実は歌舞伎役者の十七世中村勘三郎が贔屓にした、由緒ある煎餅屋なのです。 十七世は2012(平成24)年の暮れに惜しまれつつこの世を去った十八世勘三郎の父親で、現在の中村勘九郎・七之助兄弟の祖父に当たります。 手焼きで作られた煎餅は固いのにサクサクした歯ざわりが特徴。 醤油と米の味わいが絶妙にマッチした、江戸ならではの味わいです。 とはいえ煎餅にしては少々値が張るので、ご進物で頂戴すると嬉しかったりします。
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備長の手焼せんべの焦げよろし
十七世は福屋の親爺に従来品より焦がした煎餅を特注していました。 じっくり丁寧に…じゃなく、強く焼いてわざと焦がすのです。 それを瓶に入れ店頭で保存していたところ、一般客から「売って欲しい」と注文が入りました。 親爺は十七世に「『勘三郎せんべい』と名づけて商品化してもいいか?」と提案。 十七世は破顔一笑、そして詠んだのがこの句なのだそうです。 ちなみに値段は他の煎餅たちと変わりません。
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「伊勢藤」と書いて「いせとう」と読みます。 鳥茶屋本店と毘沙門せんべい福屋の間を通る細い路地の奥にひっそりと佇む小さな居酒屋。 ですが見かけとは裏腹に、神楽坂という範囲を超えて東京でも屈指の人気と実力を誇る名店中の名店です。 営業時間は午後5時~9時半の、たった4時間半! しかも土日祝はお休みという、ある意味「マボロシ」の店です。 なので、いつ行ってもお客さんで一杯、運良く座れたらラッキーかも。 ただし、よくある居酒屋だと思って行くと、かなり面食らうかも知れません。
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学生ノリの居酒屋チェーンとは対極にある、渋い大人の酒場です
ドリンクメニューにビールやワインなどありません。 選択肢は日本酒「白鷹」の熱燗か冷や(常温)のみ。 フードメニューもありません。 席に座ればフレンチのコースメニューみたいに一汁四菜が自動的に供されます。 ただし、お酒をおかわりすればアテを追加でオーダーできます。 さほど値段も高いわけではなく、まさに「神楽坂遺産」とでも例えるべきお店です。
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