春だけに許される? 皇居という「櫻の園」で年に一度の無礼講!
東京春だけに許される? 皇居という「櫻の園」で年に一度の無礼講!
上野公園、隅田公園、飛鳥山公園…都内に桜の名所は数多あります。 だがしかし! 東京における桜の名所といえば、何といっても皇居をおいて他にありません! そう、皇居周辺は都内最大の「お花見スポット」なのです。 今年も3月25日から4月3日の10日間、恒例「千代田のさくらまつり」が開催されます。 期間中はおなじみ「千鳥ヶ淵緑道」の夜間ライトアップをはじめ、お濠の水上から夜桜を堪能できる「千鳥ヶ淵ボート場」の夜間特別営業などを実施。 また、25〜27日は靖国神社参道で「さくらフェスティバル」が開催されます。 特設ステージでは歌や踊りが披露され、参道には無数の露天が並んで境内は乱痴気騒ぎに。 これら皇居周辺の桜の名所を紹介していきますね。
皇居周辺の最強お花見スポットといえば…やはり千鳥ヶ淵公園! TOKYO FMのある半蔵門から千鳥ヶ淵交差点まで、約450mにわたる細長い公園。 西側に皇居千鳥ヶ淵、東側に英国大使館があり、両者に挟まれるように位置しています。 ここにはソメイヨシノや山桜など約170本の桜が植栽されています。 特に英国大使館前に立ち並ぶ桜には由緒があります(「英国大使館」の項を参照)。 千鳥ヶ淵は北の靖国神社から千鳥ヶ淵緑道を南下するルートが圧倒的な人気。 なので北→南ルートは結構な渋滞に見舞われます。 一方、半蔵門から靖国に向かう南→北ルートは比較的空いているので、千鳥ヶ淵は半蔵門から北上するのがオススメです。
公園ではレジャーシートを敷いての花見が可能です!
千鳥ヶ淵公園は幅がたった約20mしかない、とても狭い公園。 ですが、ここではシートを敷いての花見ができます。 なのでライトアップされている夜間は特にラッシュアワー並みの混雑ぶり。 通行路を確保するため遊歩道の真ん中に線が引かれ、その道路側が宴会場に充てがわれています。 いずれにせよ好位置は早い者勝ちなので、場所取りは壮絶なバトルを覚悟する必要があるかも。
宴会では次の約束事を守らないといけません!
ひとつ…火器類や自家発電機はイカン! ふたつ…カラオケなど騒音は禁止! みっつ…ゴミは持ち帰ること! よっつ…シートだけでの場所取りはNG! いつつ…シートをピンで刺して固定しない! むっつ…樹木を傷つけるのはヤメテ! ななつ…露店とか商売するのはダメ! やっつ…周辺住民や他の花見客に迷惑をかける行為は厳禁! というわけで、堀の向こう側には両陛下が坐しますことを肝に銘じ、楽しくお花見しましょうね!
といっても大使館が敷地を解放するわけではありません。 「千鳥ヶ淵公園」のところで言及した通り、大使館前の桜並木がとても有名なのです。 この桜は1898(明治31)年、当時の公使アーネスト・サトウが公使館前の空地に桜の木を植え、東京府に寄付したもの。 当時の大使館からは富士山や東京湾が一望できたそうですよ。
英国大使館前から北へ向かうと千鳥ヶ淵戦没者墓苑があります。 その入口から靖国通りまで、千鳥ヶ淵に沿って整備された全長約700mの遊歩道です。 シーズンともなると日本中から100万人以上の花見客が訪れるという全国屈指のお花見ポイント。 余りに花見客が多すぎて混雑時には入場制限がかかる場合があるほど。 ソメイヨシノやオオシマザクラなど約260本の桜が遊歩道の上を覆うかのように咲き誇り、その様はまるで桜のトンネル! ただし緑道内に売店や露店、レストランはなく、常に移動を促されるのでシートを敷いての宴会もできません。 宴会は北の靖国神社か、東の北の丸公園か、南の千鳥ヶ淵公園までどうぞ!
夜間ライトアップ
花見客が大勢集まる理由…。 それは「さくらまつり」期間中に実施される夜間のライトアップにあります。 さくらまつり期間中、日没(夜6時ころ)から夜10時まで実施されます。 桜の木に負担をかけないよう、照明にはLED電球を使用。 しかも電力は昼間に太陽光で発電しているそうです。
千鳥ヶ淵ボート場
ここには区営のボート場があります。 本来は月曜休みのところ、さくらまつり期間中は無休で営業。 さらに営業時間も朝9時30分から夜20時までと通常期より延長。 それでも乗り場には長蛇の列だそうです。 乗船料は観桜期価格で30分800円と少々お高め。 それでも堀の水面から見上げる桜の美しさの前には、大した問題じゃなさそうです。
皇居東御苑を北桔梗門から北へ抜けたところに広がる北の丸公園。 昭和30年代後半、旧近衛連隊などの建物を撒去して造成された公園です。 造成時に桜が植栽され、都心でも屈指の花見の名所となりました。 園内にはソメイヨシノをはじめ約330本が植えられています。 また、公園のウリは樹木だけではありません。 北桔梗門を出ると右手には国立近代美術館、左手に折れて少し進むと国立近代美術館工芸館。 その真ん中を直進すると右手に見えるのが科学技術館。 眼前に広がる公園を突っ切って真っ直ぐ進むと突き当りが日本武道館。 美術館で芸術作品に触れ、公園で花を愛でる…。 今なら一か所で二度も美と触れ合える公園です。
森の中に広がる芝生地と池が生み出す風光明媚なシチュエーションは、お花見だけじゃなくデートにも最適!
公園の中央部に広がる芝生地は絶好のお花見ポイント。 西側に広大な池を配置した風光明媚なシチュエーションは、お花見だけでなくデートにも最適です。
国立近代美術館(MOMAT)
皇居東御苑の北桔梗門を出ると、道を挟んだ向かい側に立つ美術館。 絵画、彫刻、版画、写真など、明治時代後半から現代に至る近現代の美術作品を常設展示しています。 館内にはシェフ三國清三プロデュースのレストラン「ラー・エ・ミクニ」が。 コンセプトは 「フレンチとイタリアンの融合」。 ランチとディナー、合間のティータイムも営業しています。
国立近代美術館工芸館
本館から千鳥ヶ淵方面へ向かうと姿を現すレンガ造りの巨大な洋館。 元は帝国陸軍の近衛師団司令部でした。 1910(明治43)年竣工の庁舎は1972(昭和47)年、重要文化財に指定。 改修保存工事を経て1977(昭和52)年に工芸館としてオープンしました。 染織や陶磁器、ガラスや漆などの工芸品など約2400点が収蔵されています。
科学技術館
1964(昭和39)年、科学技術の啓蒙普及を目的に開館した博物館です。 建物そのものは古くなりましたが、壁に無数に開いている星形の穴が、高度経済成長期に高まった宇宙への憧憬を感じさせてくれてナイスです。 通常の博物館と異なるのは、実際に「見て・触って・体感する」展示を通じて、科学と技術の知識を楽しく深めていけるよう工夫されている点です。
日本武道館
科学技術館から北へ進むと突き当りにデンと構えるのが、大きなタマネギをテッペンに載せた六角屋根の巨大な建物。 言わずと知れた世界の“BUDOKAN”日本武道館です。 今じゃすっかりコンサートホールみたいになっちゃいましたが。 ここから田安門を抜けて北に向かうと靖国神社に出ます。
武道館の近くにある北の丸休憩所「エコハウス ザ・フォレスト北の丸」。 ナチュラルかつモダンな雰囲気が漂う店内にはテーブルとイスが配置され、カウンターで購入したカフェメニューを賞味できます。 もちろんお花見のお供にテイクアウトもOK。 売店では菓子パンやスナック菓子、おにぎりなども販売しています。 情報コーナーでは散策マップなども配布しているそうですよ。
靖国神社といえば大臣たちが公式参拝するだの。 そのたびに韓国や中国の政府が大騒ぎするだの。 物騒な場所だと思い込んで近寄らない人も多いのでは? だがしかし! それはモッタイない! 春になると靖国神社は約600本もの桜が咲き誇り、毎年30万人を超える参拝者と花見客で賑わう、東京屈指の“花見の名所”に大変身! 境内にはレジャーシートが所狭しと敷き詰められ、中国人や韓国人はもとより多国籍な人々が桜の花の下でドンチャン騒ぎを繰り広げています。 一人で散歩の途中とか、カップルでデートの途中に立ち寄ってもOK! テーブル席も用意されているので露店で酒とアテを贖えば、何不自由なく花見を堪能できますよ!
東京の開花は靖国神社の桜が宣言します!
地下鉄九段下駅1番出口から地上に出ると、左手には日本武道館。 そのまま5分ほど直進すると右手前方に大きな鳥居がお出迎え。 境内に入ると外苑参道脇にはボンボリが飾られ。 200もの露店が軒を並べ、まさに“お祭り”状態! 神社境内にはソメイヨシノや山桜などが植栽されてます。 そのソメイヨシノは気象庁が東京の桜の開花宣言をする際、基準木となっているそうですよ。
大村益次郎像前の特設ステージは伝統芸能からアキバ系まで百花繚乱!
3月25~27日の3日間、境内では「さくらフェスティバル」が開催されます。 大村益次郎像の前に設置されたステージでは軍歌のオンパレード…ということはありません。 公募で決まった出演者…つまり素人の皆さんの歌や踊りが延々と奏でられます。 大江戸助六太鼓から豊洲のローカルアイドルまで、出演者は百花繚乱! また、午後2時からはビンゴゲームも開催。 カードは本部ブースで販売するそうです。
露店も多数出店! ここは本当に靖国神社なのか?
午前10時から午後5時まで営業しています。 肉の万世とか日比谷松本楼といった名の知れた老舗。 秋田、宮城、山形、石川など各地の当地グルメ。 居酒屋やレストランなどの出店もあります。
年に一度、桜の咲く頃…プロレスだって奉納されます!
毎年、花見の季節に境内の相撲場特設リングでプロレスが奉納されています。 最初に行われたのは1961(昭和36)年4月23日。 力道山やジャイアント馬場、アントニオ猪木ら26人のレスラーが参拝の後、試合を奉納。 約1万5000人もの大観衆が詰め掛けたそうですよ。 今年も3月27日午後1時から開催されます。
- アプリで地図を見る
旧江戸城の本丸・二の丸・三の丸の一部が皇居附属庭園として整備されたもので、1968(昭和43)年から一般に公開されています。 約21万平方メートルという広々としたスペースに、300本近い桜が植栽されています。 スポーツと飲酒は禁止なので、ここでの乱痴気騒ぎはご法度。 でも逆に「花より団子」の酔漢で騒がしいことはありません。 なので純粋に花だけを愛でたい向きには穴場スポットと言えるでしょう。 出入りは大手門/平川門/北桔橋門から。 東京メトロ東西線の大手町駅と竹橋駅が最寄り駅。 ちなみに駐車場はありません。 入園は無料。 入園時に窓口で入園票を受け取り、退園時に返却するシステムになってます。
月曜と金曜は原則お休みです
休園日は原則として月曜日と金曜日。 天皇誕生日以外の「国民の祝日等の休日」に当たる場合は開園します。 また、月曜日に開園する場合は翌日の火曜日が休園日になります。 なお、特別行事などが行われる場合は月金以外でも急に休園になる場合もあります。 開園時間は午前9時。 閉園時間は4月14日まで午後4時30分(入園は午後4時まで)。 15日以降は午後5時(入園は午後4時30分まで)です。
ソメイヨシノたけでなく様々な種類の桜花を楽しめます!
皇居東御苑には約280本もの桜が植栽されています。 河津桜など早咲きの桜は3月上旬から既に見頃を迎えています。 桜の代名詞的存在ソメイヨシノ。 “里桜”の異名を持つ八重桜。 野生種の一つエドヒガン。 雑木林の中に咲く山桜。 このようにソメイヨシノだけでなく、様々な種類の桜花を楽しめるのが特徴です。