
日本遺産に認定!天まで届く茶畑~京都・和束町~
京都日本遺産に認定!天まで届く茶畑~京都・和束町~
京都府和束町(わづかちょう)は、京都府の南端に位置し、町の中心に和束川が流れています。標高 300m 程度の山間部にお茶畑が広がり、昼夜間の温度差が大きい、霧が立ち込めやすい、はけがよく養分を溜める土壌 など、おいしい茶葉生育のために非常に適した環境です。 そのため和束町は鎌倉時代から宇治茶生産の中心地で、現在では京都府における栽培量・面積ともに上位を誇る宇治茶生産地です。「京都・和束の煎茶」といえば日本茶に詳しい人は、その味・香りの良さに一目置くほどの名品として知られています。 2008年1月、和束町の山背に広がる茶畑の景観が 「京都府景観資産」制度において、真価性・共有性・共働性・創造性が認められ、その第1号として登録されました!さらに、2013 年 10 月には「日本で最も美しい村」連合に加盟。さらにさらに、2015年4月には≪日本茶800年の歴史散歩≫のストーリーで「日本遺産」の第一弾に選ばれたのは記憶に新しいと思います。今回は、そんな和束町の魅力をお伝えできればと思います。お付き合いくださいませ…(*^^)v
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いわゆる「宇治茶」は、京都府宇治市だけで生産しているわけではないのです。和束町はもちろん 城陽市、宇治田原市、南山城村など 京都の南、山城地区の市町村が連携してブランドを守り続けているのです。その約4割がこの、和束で作られていると言います。 傾斜地にまるで、波の様にうねうねと茶畑が広がる景観は、ここ 和束町でしか見られません。「茶源郷」…なるほど、ナットク。
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山谷の地形を活かしたお茶作り
和束川に作られた平地よりも丘陵地や山が多い地形…でもこの地形と気候が独特の旨みと芳香を生み出してくれるのだそう。それと、800年前の開拓時から守ってきた茶農家さんの情熱も、ですね。
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忘れられない風景です
山に囲まれ、閉鎖的だったこの地に、お茶作りが他地域とのつながりをもたらしたと言っても過言ではありません。
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一芯二葉
新茶を摘み取る際の心得です。一芯(まだ開いていない中心の芽)と、二葉(その芽のすぐ下の若葉2枚)だけを八十八夜になると摘んでいくのですね。
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「日本で最も美しい村」連合に加盟!
お茶の営みの景観の美しさが認められ「日本で最も美しい村」に認定されました。みなさん、自転車で爽快に町内をサイクリングされています。
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「日本遺産」 に認定!
ビュースポットにこの「日本遺産」の案内看板があります。散策時に役に立ちますよ♥京都府下では、この和束町と、舞鶴市も日本遺産に認定されています。
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太鼓山と言う茶畑のてっぺんにこんもりした木立が…ここは、安積親王(あさかしんのう)と言う聖武天皇の第二皇子の円墳の御陵なのです。茶畑の中に天皇家のお墓があるのは、きっとここだけでしょう。 異母兄が夭折されたことで皇太子となりますが、結局皇位についたのは、異母姉・阿部内親王でした。阿部内親王の母が藤原不比等の娘・光明皇后だったためだとか。藤原氏の権力には逆らえなかったということでしょうか…。安積親王は恭仁京で17歳の若さで亡くなったそうです。毒殺されたのではと言う説もあるとか…。 そんな、悲しい伝説残る陵墓…今はお茶の緑に囲まれて心静かに休まれてることでしょう。
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案内板があります
案内板を頼りにてくてく丘を登ります。5~6分で頂上まで行けますよ
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日本で唯一 茶畑の中の陵墓
お墓が見えてきました。両脇にもやはりお茶が。一面の緑です!
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奈良時代の光と影
親交のあった「大伴家持」が親王の死を悼みこんな挽歌を詠んでいます。 ~わが大君(おおきみ) 天(あめ)知らさむと 思わねば おほそに見ける 和束杣山(わづかそまやま)~
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陵墓からの眺め
向かいに釜塚の茶畑が遠望できます。ここに眠ることができ、親王はきっと喜んでられるのではないでしょうか。
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和束産100%のお茶を堪能するならココ!町内の茶農家こだわりのお茶を集めた直売所なんです。しかもリーブナブル。茶葉はもちろん、アイスやチョコレート、佃煮と言った変わり種もそろいます。お茶染めの製品なんかも!カフェもありますので、ゆっくり散策ルートを考えつつ、見どころも聞いてみてください。
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和束のお茶が勢揃い!
お茶だけでもその数140種類だとか!煎茶、抹茶、ほうじ茶に紅茶やウーロン茶も。ホント迷います。結局今回は、グリーンティーを購入。うまみも香りも市販のものとは全く違う( ゚Д゚) 牛乳で割って抹茶オーレにするとおいしいです。
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コレ、食べて♡
上香園さんの「ほうじ茶ちゃこら」。これはかなりヒットです! ちゃんとほうじ茶のスモーキーな香りがしてクセになる苦みが…。サイズは大と小があります。
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新鮮な地元のお野菜販売
入り口や店頭には、地元のフレッシュなお野菜の直売も! お団子やおまんじゅうなどの和菓子もスタンバイ。渋~いお茶といかが?
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本物のお茶をどうぞ
イートインスペースでいただくケーキやお茶…これがまたおいしいんです。きちんと作法にのっとって淹れて下さる緑茶は甘くて、香り豊かで…なんとも表現しがたい深さがあります。
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レンタサイクルあります
ここでレンタルできます。24段ギア付きで坂道もへっちゃら!狭い穴場の小道もスイスイ~。 10:00~15:00/1日1000円
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ぐるり360度、町を見渡すことができる、ココはカフェなのです。茶カフェからほど近い、小高い丘を10分程度登るとあるログハウス、「天空カフェ」です。京都市にある高台寺の茶室〔傘亭〕をイメージして作られたと言います。 中には茶室があり、グループで1時間(完全貸し切り・交代制)と言うスタイル。気兼ねなく本格的な日本茶が楽しめますよ♫ まだまだ穴場!一度、訪れてみてください。
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茶畑の上に建ってます
こじんまりしたシックな色合いのログハウス。登るのはちょっとキツイですが、ここまでくると期待の方が大きくなるかな!
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茶室のしつらえ
檜や杉がふんだんに使われた贅沢な造りになっています。遮るものがないので、どこに座っても緑豊かな景色が楽しめます。いやいや、本当に天空という言葉がピッタリ!空に浮いているような感覚。定員は6~8名だそうです。
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ご利用は事前予約を☝
まずは、和束茶カフェで申し込みをし 鍵をもらいます。注文したお茶セット(茶葉が付いた茶器や急須、ポットなど)を持って、天空カフェへ。食べ物の持ち込みもOKだそうです。 *利用料1人500円+ドリンク代(小学生以下は無料)/0774-78-4180 ㈪~㈯10:00~17:00、㈰9:00~17:00
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釜塚山の茶畑は、傾斜地を先人がすべて手鍬で開墾し拡げたものなのだとか。民家があり、そのすぐ後ろに茶畑…この独特の景観は、和束が誇る「生業の景観」なのです。
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茶畑に包まれてます
茶畑と、加工場と、自宅…まさに生業の景観ですね。 安積親王の陵墓からもこの釜塚の茶畑が見通せます。
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自転車に乗る方々が団体で来られていました。和束茶カフェからも近いところにある烏帽子さん。飲食できるところがあまりないので重宝されると思います。笑顔が素敵なお母さんが切り盛りされています。 おだしにこだわりを持っておられるだけあり店内はいい香り~♡かつお、昆布、うるめ、あごでとられた上品なおだしのうどんをどうぞ(^_-)-☆
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シックで雰囲気のよい店内
黒と茶色の落ち着いた風合いのお店です。テーブル席の他、お座敷もありますよ。お子さんのおもちゃもアリ。
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シャキシャキ「薬味うどん」!
私はこれを注文。ネギ、カイワレ、みょうがなどの薬味になるお野菜がどっさりのった香りのよいおうどん。おだしとのからみがよくおいしいです!シャキシャキがたまりませ~ん。
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人気の「カレーうどん」
和風味が濃いカレーうどん。あっさりしていて女性向けかもです。
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ボリュームのある定食
唐揚げ、トンカツなどの定食も!丁寧に作られた味とはこう言うのを言うんですな。 *11:00~14:00open/無休 tel:0774-78-9100
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お茶を自ら淹れていただくことができるお店。かしこまらずざっくばらんに日本茶を楽しめるなんてとっても嬉しいですよね。ナント!持ち込みもOK。ご飯の後にゆっくりお茶を愉しむのもアリです。
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ログハウスの店内
木の香り漂う店内には、お茶製品が並んでいました。地元の方もいらっしゃるアットホームなカフェです。
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「和束の月」を賞味
丁寧に淹れ方を教えてくださいます。甘い!とにかく甘みとコクがすごいです。また、一煎めと、二煎め濃さはもちろんですが味わいもちょっと違うんですよねぇ。
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手作りスイーツも充実
ほうじ茶ゼリー…きな粉との相性バツグンです。
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サイクリングされる方用に
自転車を置けるサイクルハンガーが完備。私が行った時もいろんな年齢層の方が団体で来られていました。
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お土産に最適💗
カフェでも飲めるお茶が1人分ずつパックされて販売されてました。これ、いいですよね。飲み比べもできます!
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臨済宗永源寺派の末寺、天平年間創建のお寺です。聖武天皇が、安積親王の菩提を弔うために行基に開山させたと伝わります。当時は俗に言う「幡寺」と呼ばれていました。 南北朝の時代に、たびたび武将の陣などに使われていたことにより荒れてしまいましたが、江戸時代になってから、後水尾上皇、東福門院の帰依により整備され、名を「正法寺」と改めたと言います。 写真は、江戸時代に作られた阿弥陀さんの石仏。
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紅葉の名所🍁
大本山永源寺から移されたとされるヤマモミジ、また大銀杏が秋に美しい彩りを添えることで有名。 写真は開山堂です。
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これがその大銀杏↑
鐘楼の横にあります。11月には紅葉のライトアップもされるそうです。キレイだろうなぁ。なかなかの穴場的スポットです。
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十二支と仲良しなお地蔵さん
本堂には、東福門院の念持仏とされる聖観音座像が安置されています。 本堂横にある十二支地蔵。カラフルないでたちでかわいいです💛
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神社の境内にそびえる樹齢1300年以上と言われる高さ31m、幹周りは12.8mの大杉。本幹が倒壊してその枝木の8本が株をひとつにし巨木になったのだとか…。京都府指定の天然記念物に登録されています。
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神社を覆うように…
こうやって見ると圧巻ですね。 この杉は「北山杉」らしいのですが、温暖なこの地域には不向きだそうで、誰がどのようにしてここに植えたのかはナゾなのだそうですよ。
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花餅🌼
毎年7月7日のには「祇園さん」と呼ばれるおまつりが行われ、こんなお餅を食べる風習があるそうです。おまんじゅうの上にキレイに色を着けたうるち米を乗せて蒸しあげたものみたいです。おいしそう~。
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高台から町を見下ろすように鎮座している天満宮。元々は「熊野神社」だったそうですが、宝亀4年、奈良の「春日大社」の別宮となっていたところ、永観元年に京都の北野天満宮より勧請、以後 和束の総社となったと伝わります。菅原道真公の絵を菅原家より奉納され祀ったとされています。
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本殿
ご祭神は、菅原道真公。江戸時代末期の建築で、国の重要文化財に指定されています。南北朝の兵火で焼失してしまった様ですが再建されました。一間社流造りで、唐破風付きの拝殿をくぐると本殿に着きます。
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天神さんと言えば…
「牛」ですね。お賽銭がやたらとのせてありますが…。
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ヘドロ&マグマの化石あります
本殿の右側には、2011年に境内から出土したと言われる46億年前のヘドロとマグマの化石『ハチマキ石と絆の石』。天神さまからの贈り物なのだそうです。そんなに古い石なのか…。
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和束天満宮近くにある明治6年創業の老舗茶舗、中尾園さんは、高台にあるので見晴らしもサイコ~。お茶製品だけでなく、お土産やお野菜、果物、自家製のお漬物なども売られています。 横には茶房もあるので景色を見ながらTea timeもいいかもですね。 *8:00~17:30open/年中無休
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ホッペぷっくりのお人形が目印
進物用のお茶、急須や信楽焼も販売。奥にはいろりがありお茶のサービスが。 夏には人気の抹茶ソフトクリームが登場します。
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ドでかいお茶!
普段使いのお茶もいい香りです。ただ、でかい~~! こりゃ長いこともつやろー ^^) _旦~~
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併設の「茶房 竹の子」
中尾園さんが運営する茶房&お食事処。産地ならではの価格で、本格宇治茶が味わえますよ。日本茶インストラクターと、アドバイザーがおられるお店です。テラス席で風を感じながらどうぞ。
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冷やし抹茶ぜんざい
暑い時期にはこれ(^^♪ 甘いあんこと濃厚お抹茶のコラボがたまりません。600円。 6月から10月まで。それ以外の季節はあたたかいお抹茶ぜんざいを。
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名物・茶そば!
この茶房は、おいしい宇治茶が飲めるお店として「宇治茶カフェ」に認定されたのだそうです。 茶そばや、茶鶏(お茶を食べて育った鶏)の卵かけごはんも人気。
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川沿いから眺めているだけではわからないのですが、思っているよりも茶畑は山のず~っと上の方まで続いているんです。ここ撰原では傾斜にあわせ、パッチワークのように繊細に畝が巡らされまさに「山なり茶畑」の風景を見ることができます。
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日本遺産の案内看板アリ
お茶色の看板…特徴や、見どころが描かれていてGOODです。 しかし、急な斜面の茶畑ってどんなふうに植えて育てるのだろうと思ってしまいます。素朴なギモン。
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桜の向こうにも
まだ、桜がポツポツ残っていました。お茶の青々した緑とピンクのお色合いは春の息吹そのものです。本当に美しい。
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信楽街道沿い、和束川の向こうの岸壁にありました!大きな仏さま!高さ6~7mの花崗岩に立ち姿で彫られた3mの「弥勒菩薩像」です。像の右側に「正安2年4月」と彫られています。鎌倉時代後期頃の作らしいです。 山城地域にはこのような石仏がとても多いんです。笠置寺や、加茂町当尾の石仏など 付近にもみられるスポットが点在しています。
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遊歩道で近くまで行けますよ
昨年、川沿いに遊歩道が作られ磨崖仏を至近距離で見られるようになりました。ちょっと前傾されてる感じかな?優しい表情で見下ろされています。 長井橋から徒歩5分ほどです。
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春、和束の町は西から東へと暖かくなり、西にあるこの地域は「早場(はやば)」と呼ばれ、4月下旬には早くも茶摘みがスタートします。近代的な農園整備がなされ、空まで続く茶畑が見られます。
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黒いところは?
茶畑の中で、黒いシートがかぶせられているところがあります。これは、日光を遮ってキレイな色にするためらしいです。また、旨みが増し、渋みを抑える効果もあるそうで、煎茶や玉露など高級茶になるのだそうです。
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大型扇風機は?
霜の害を防ぐために扇風機を回して空気を動かしお茶を守るのだそう。霜がつくと、茶葉が変色したり、旨みが減ったりするんですって。いろいろなご苦労があるのですね…。
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ここにも日本遺産案内看板
石寺地区の茶畑は和束を代表する山なり茶畑です。
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南山城地方の最高峰、標高687mの鷲峰山にあるお寺。巨岩や奇岩がたくさんあり、奈良の大峰山と並ぶ二大霊峰のひとつで、「北大峰」とも呼ばれ山岳宗教の聖地とされてきたそうです。役行者が開山し、聖武天皇が平城京の鬼門を護るためにお堂を建てたのだとか。
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行者の岩場が…
巨岩で修行する行者が未だにおられるそうです。ハイキングに訪れる方も多いのだそう。
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胎内くぐり
山内には、大峰山を模した行場が至るところにあるそうです。この胎内くぐりは、
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和束に初めてお茶が植えられたのがこの原山なのだとか。鎌倉時代、茶業興隆の祖とされる明圭上人からお茶の種をわけてもらった海住山寺の慈心上人により栽培されたと伝わります。
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原山の円形茶園
見て下さい!もうアートとしか言えないです。原山の茶畑は、他にはない芸術的な光景が特徴です。
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後醍醐天皇「養生の芝」
ここは、後醍醐天皇が鷲峰山から笠置に逃れる途中に養治したとされる場…歴史を顧みながら景観を味わいたいものです。
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町の北東にある湯船地区は、茶業の他に林業、稲作なども行われています。伝統的な農家住宅や、茶工業の建物が残っていて当時のお茶を生産していた集落の景観を見ることができます。 写真は、「湯船森林公園」。120㏊の面積を有するアウトドア施設です。川遊びや、バーベキューが楽しめます。本格マウンテンバイクのコースも! *9:00~17:00open/入場料200円
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百丈岩(ひゃくじょういわ)
鎌倉谷の渓谷にある巨大な御影石。京都の自然200選に指定されていますよ。近くには滝も…。付近にある大智寺開祖の大観禅師が、この岩の上で100日間座禅修行をしたことからこの名前が付いたのだと伝わります。
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白山神社
湯船五ノ瀬の鎮守さん。鳥居から境内まで200段以上の階段を登ります。杉林に囲まれた静かなお社です。
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