街を歩こうシリーズ 〜グルメな街ラドロー (Ludlow)〜
海外街を歩こうシリーズ 〜グルメな街ラドロー (Ludlow)〜
英国中部の西側の丘陵地帯に囲まれたシュロップシャー。小高い丘の上にあるラドローは、知る人ぞ知るグルメな街。 街の規模に比べて食のクオリティーが非常に高いのです。地産地消を推奨するスローフードムーブメントの中心であったり、一時はこの小さい街に3軒のミシュランの星を持つレストランがあったり、街の中のほかのカフェもレストランもふらっと立ち寄ってもあまりハズレのないところが嬉しいところです。年に一度9月に大々的に開かれるフードフェスティバルは、ラドロー城を会場に街全体がお祭りで盛り上がります。シュロップシャーに近接する6つの州からしか出展できないルールがあって、生鮮食品からアルコール、お菓子まで美味しい物を求めて遠方から多くの人がやってきます。そんなラドローの見どころを紹介しつつ、美味しいお店やパブを食べ歩き、飲み歩き。1日丸ごと楽しむプランです。
このプランの行程
南シュロップシャーのラドローは、公共の交通機関ではちょっと行きにくいところ。今回は車でのお出かけです。 バーミンガム空港から約60マイル(約97km)、約1時間半、ロンドンはヒースロー空港から約145マイル(約235km)、約3時間の距離です。
街の中心部の駐車場まで車で約5分。車を停めたら後はゆっくり散策へ。私はお酒を飲まないのでいつも運転手なのですが、運転する人は飲まないでくださいね。。
4分
2分
1分
3分
2分
8分
このプランのスポット一覧
コモンと呼ばれる野原や林はかつてその辺りを治めていた領主が領地に住む住民達に家畜を放牧したり、林で薪などを採ることを許していた、住民のための公共の場所という意味があります。ティーム川(River Teme)の対岸に広がるこのエリアからは、ラドロー城をはじめとして遠くはシュロップシャーの丘を見晴らすことの出来る絶景ポイントです。
11世紀に最初に建てられから、イギリスの歴史を長く見守ってきたラドロー城址です。ヘンリー8世がもし国王にならなかったら、英国国教会も作られず、国内にあったカトリック系の修道院の多くが破壊されることもなく、今のイギリスは随分違った国になっていたことでしょう。1502年、ヘンリー7世の皇太子だったアーサー王子は、結婚したばかりの皇太子妃キャサリン オブ アラゴンと新婚旅行を過ごすためにこのお城に到着します。ですが、到着後間も無く病気に倒れ亡くなりました。アーサー王子にかわり、皇太子になったのがのちのヘンリー8世でした。入場料は大人一人£8、5−15歳までの子供一人£4。
Ludlow Castle Lodge
13世紀初頭に建てられたのち、1580年に建て替えられたこの建物は、ラドロー城への入り口前の広場に面しています。チューダー朝からエリザベス朝へ以降する時代の建築様式が見られます。2022年6月現在、大掛かりな修復作業中ですが、この建物には、イギリス国内でも最大級のオークパネル(チューダー朝時代の建物には壁を樫材で作られたパネルで装飾していました)があることでも知られています。
ラドロー城入り口前の広場はキャッスルスクエアと呼ばれていますが、ここでは、常設のマーケットの他、ファーマーズマーケットが開かれます。ラドローは、地産地消を推奨するスローフードムーブメントが活発なところでもあり、グルメな街としても知られています。ファーマーズマーケットに出店できるのはラドローから30マイルの範囲以内で生産されたものに限られています。月に2度、第2と第4木曜日に開催されています。 地元で採れた新鮮な野菜や果物、乳製品、チョコレートやケーキ類、ついついお財布の紐が緩んでしまいます。
Harp Lane Deli
キャッスルスクエアにあるこのデリは、普通のスーパーではなかなか買えない調味料などが売られています。イチオシは、ここでしか買えないオリーブ! フェンネルと、チリ、ガーリックで味付けされた大ぶりなグリーンオリーブは一度食べたら病みつきになる事間違いなしです。 ちなみに私は日本への一時帰国の際、手頃なガラス瓶に詰め替えたものを用意して友人達に配ります。 量り売りで、100gあたり£1.70くらいです。
Mouth Trap Cheese Shop
マーケットの中にもチーズ屋さんがあるんですが、こちらにお店は、近隣の州で作られたチーズのセレクションにも力を入れています。 この10年程、イギリスの食事情はビックリするくらい飛躍していて、チーズといえばフランスというイメージですが、イギリスのチーズも秀逸なものが多いのです。スタッフに好みを相談するとオススメしてくれます。 量り売りで種類にもよりますが、100gあたり約£2位から。
すぐそばからだと意外に気付かないものですが、聖ローレンス教会は、真っ直ぐ空に伸びたゴシック様式の塔が一際目立っています。街の中心部、ラドロー城に程近い丘の上にこの教会が建てられたのは1199年でした。その後いくつかの改築を経て現在の姿になりました。タワーの高さは約48メートル、タワーの上までは石造りの狭い螺旋階段が201段あります。教会への入場は無料ですが、塔の上へ行くには、別料金で大人一人£5、子供一人£3。塔の上からはLudlowの街並みと、周辺の丘陵地帯の美しい景色が楽しめます。 教会内部の美しいステンドグラスも一見の価値があります。
詩人A E Housmanのお墓
日本ではあまり知名度は高くないのですが、19世紀のイギリスの詩人、古典学者のアルフレッド エドワード ハウスマンは、古典、いわゆるギリシアとラテン語の研究者でした。研究の合間に詩作を始め、叙情詩を発表します。中でも1896年に出版された叙情詩「シュロップシャーの若者(A Shropshire Lad)」は彼の代表的な作品として知られています。遺灰は教会の敷地に埋葬され、慰霊碑を見ることができます。
聖ローレンス教会のすぐ側、街の中心部に立つバタークロス(Buttercross)と呼ばれる建物は、かつてはマーケットの建物でした。 1階部分は壁のない作りで、冷蔵設備のない中世の時代、バターなどが売られていました。 入り口が目立たないので見落としてしまいそうですが、2階部分が小さな博物館になっていて、ラドローの街の中にある歴史的な建造物や、街の歴史について展示されています。 開館日は週に3日、金曜日ー日曜日まで。通常は10:00-16:00までです。入場料は、大人一人£1、子供一人50ペンス。 5歳以下のお子さんは無料です。
Smoke House Deli and Cicchetti Bar
バタークロスの正面から真っ直ぐに伸びる緩やかな下り坂の通りはブロードストリート(Broad Street)と呼ばれています。通りの中程にある小さなイタリアンデリのお店。テイクアウトもありますが、店内で食べられる日替わりランチもオススメです。 パスタもしくはサンドイッチ系の日替わりメニューは一人約£15位から。サンドイッチのテイクアウトは一つ£4から。カンノーリなどのスイーツは1個£1.50です。
食事もできて宿泊も可能なパブ。入り口を入るとパブですが、奥の方はレストランになっていて、近隣の食材を使った食事が楽しめます。 食事の予算は飲み物別で一人約£30、宿泊は2名一室朝食なしで£100。
French Pantry
ミュランガイドのグルマンに選ばれたこのお店は、本格的なフレンチビストロです。コース料理のみ2コースは£28.95、3コースは£33.95。地元の食材を使った伝統的なビストロ料理にオーナーシェフのオリビエさんのこだわりが感じられます。フランスの小路でひっそりと営業しているビストロにいるような錯覚になります。営業は水曜日から土曜日まで。 こじんまりとしたお店で席数に限りがあるため、予約は必須です。
Fish House
街の中にある唯一の小さなお魚屋さん。ラドローの街は内陸部ではありますが、このお魚屋さんは質の良い魚を買えるお店として知られているています。店内にはほんの数席ですがイートインのコーナーもあります。 シーフードの盛り合わせには定評があり、あわせてワインも楽しめます。事前の電話予約は必要ですが、予算に合わせて盛り合わせを作ってもらえます。予算は飲み物別でお一人様£25前後。テイクアウトも可能です。
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ラドローは街の大きさに比べて驚くほど歴史的建造物が多い街でもあります。その中でも特に見事なのがこちらのホテル。1619年に建てられた、チューダー様式の、装飾的なティンバー作りの建物です。ホテルは、予約サイトにもよりますが、2名一室、一泊£100〜。レストランの予算は前菜とメインで一人約£35〜。ホテルのクオリティーは、日本の感覚で言えば、2〜3スターと言うところでしょうか。内装はそれなりに近代化されていますが、どうしても古い事と歴史的建造物の為、簡単に改築が出来ない規制があるのです。泊まるより、歴史のある建物の外観やティールームでお茶をする方がお薦めかもしれません。
ドッグ ハングズ ウェル (Dog Hangs Well)
フェザーズホテルのある通りは坂道になっていて、道の両側にはいくつかアンティークショップが並んでいます。そんなお店を冷やかしつつ歩くと、どう見ても一般のお宅にしか見えないこの場所。夕方、写真の右上に写るランプが点いていたら、それがオープンの合図。 実はここ、リアルエール(Real Ale)と呼ばれるクラフトビールが楽しめる、大人向けの隠れ家というより秘密基地?なパブなんです。エールは一杯£5〜。
ラドローの地ビールの醸造所。マイクロブリュワリーとよばれる、小さな物置のような建物から始まった醸造所ですが、今では、パブも併設されて、地元のデリなどでも購入されるようになりました。ペールエールはラガービールに近い色、スタウトと呼ばれるエールはギネスのような色の黒いエール等常時数種類あります。醸造所ツアーは一人£10、試飲付き。事前予約必須です。月曜ー金曜午後3時、土曜日午後2時に開催されます。