
街を歩こうシリーズ〜チェルトナム
海外街を歩こうシリーズ〜チェルトナム
競馬場のあるこの街は、一般的には町の郊外にある競馬場の3月に開催される大きなレースのイメージが強いかもしれません。でも、実際に町の中を散策してみれば、摂政時代スパタウンとして栄えていた美しい建物の連なる見どころのの多い町なのです。 今回はそんなチェルトナムの街の中心部をゆっくりウォーキングするコースをご案内します。
このプランの行程
電車の最短ルートならロンドンパディントン駅から途中一度乗り換チェルトナムまで約2時間半。ヴィクトリアコーチステーションからバスで直行約3時間。 バーミンガムの中心部から最短ルートで直行で約40分。 車ではバーミンガム市街地から約1時間15分、バーミンガム空港からなら約1時間ちょっとで到着します。
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ザ オールド コートハウスからウォーキングのスタート地点のザ ウィルソンまでは徒歩約6分です。
このプランのスポット一覧
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以前はチェルトナム アートギャラリー&ミュージアムと呼ばれていたこの建物、現在はザ・ウィルソンと呼ばれています。 1899年にオープンした、リージェンシー様式の建物とその横にある2013年に増築が完成した新しい建物に、博物館と図書館が同居していて、チェルトナム出身で南極探検家として有名なエドワード ウィルソンに因んで、ザ ウィルソンと呼ばれるようになりました。ウィルソンの南極探検に関する展示の他、アート&クラフト運動を色濃く反映する家具のコレクションが見事です。常設展の入場料は無料、特設展示は別料金で、その時のテーマによって料金が変わります。
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セント マシューズ 教会
ザ・ウィルソンの向かい側にあるのは、セント マシューズ教会です。1851年から1877年にかけて行われた教区教会のセントメアリー教会の改装工事中、信徒の礼拝の為に仮施設として建てられた場所に改めて石造りの教会が建てられたのは1879年の事でした。完成当時は尖塔のある教会でしたが、1952年に撤去されて現在の姿になっています。
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1823年完成の建物は、もともと住居用に建てられたものでした。1916年、正面入り口を中心に7軒の住居部分が町役場の施設となり、1945年にさらに拡張されて現在の庁舎となりました。他の大きな都市の市役所庁舎にも引けを取らない立派な存在感です。
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エドワード・ウィルソン像
南極探検家として有名なエドワード・ウィルソンは、このチェルトナムの出身でした。医師でもあり、サイエンティストでもあり、また優れたアーティストでもありました。この銅像は、1914年に一般からの寄付により設立されました。この銅像は、テラノバ探検でウィルソンとともに命を落としたスコット大佐の妻のキャサリンが制作しました。
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1893年10月に完成したこの噴水は、ギリシア神話のネプチューンを題材にしています。4頭の海馬に二枚貝で出来た馬車を引かせたネプチューンの訪れを、男性の姿をした人魚が法螺貝を吹いて告げているというシーンを表しているのですが、それが生き生きとしています。 イタリアのトレビの泉を模して作られたと言われています。
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ネプチューンの泉、クローズアップ
夏になって、側で見ると、とても涼しげな噴水ですが、この地下を流れる、チェルト川から水を引いています。 町の名前の語源でもあるチェルト川は、町の中では地下を流れていて、実際に見られる場所は1箇所しかありません。 それでもこの噴水のように豊かに水を供給しています。
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ネプチューンの泉の前の通り、突き当たりに建てられているのは、クイーンズホテルです。もともとこの場所にはシャーボーンスパというスパがありました。その場所に建てられたのがこのホテル。1838年にオープンしました。オープンの数週間前にビクトリア女王の戴冠式があったので、ホテルの名前は女王に敬意を表してクイーンズホテルとなりました。 ヨーロッパで最初に、ホテルとして建てられた建物で、完成当時はイギリスでも最も大きなホテルでした。 部屋のグレードにもよりますが2022年1月現在、オフシーズンで朝食付きでもツイン一泊一人95ポンド位です。
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客室フロアへの階段の装飾
元々は一階から最上階まで吹き抜けになっていたそうですが、現在は消防法の関係で2階部分は覆われています。 小さな王冠の装飾も、ちょっと心憎い演出。
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プージンの壁紙
オーガスタス プージンは、イギリスのゴシックリバイバル建築でよく登場する名前です。彼の最も有名なデザインは、ロンドンのビッグベンです。敬虔なカトリック教徒でもあったプージンはカトリック教会を作ったり内装を手掛けたりもしました。ホテルの壁紙はそのプージンがデザインしたもの。 100年以上前の壁紙だというのに色褪せない美しさです。
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木製のカウンターバー
実はこのカウンター写真のショットに入りきらないほど大きなカウンターなのです。精密な彫刻が施された木製のカウンターバーはここをよく訪れていた貴族の常連さんの贈り物だそうで、マホガニー素材で作られているそうです。日本でいうところの重要文化財に匹敵するグレードIIリストに指定されています。
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Duke's Tea Room (デュークズ ティールーム)
ホテル1階のティールームではアフタヌーンティーも楽しめます。 ゆったりとソファでくつろぎながらのアフタヌーンティーは、三段トレーにフィンガーサンドイッチ、スコーン、ケーキのセットと飲み物で25ポンド。 スコーンとお茶のクリームティーなら9ポンド。2022年1月現在のお値段です。
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1854年に設立されたレディースカレッジ、文字通り女性のためのカレッジでした。現在の場所へ移ったのは1873年の事。実は現在の場所の敷地内に、チェルトナムの最初のスパだった場所があると言われています。熱心な教育者であった、ドロシア ビールが校長を務めている間、女性にも様々な学問を学ぶ機会があるべきという信念から、建物の屋上には天文台が作られ、また豊かな環境に身を置けば自然と学ぶ意欲も上がるはずという事で、屋内にはアート&クラフトの様々な美術品が飾られました。ドロシア ビールはのちにオックスフォードのセントヒルダカレッジを創設した人です。
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白い女性の彫刻が立ち並ぶ通りは、かつては高級品を扱うお店が並び、スパを訪れる上流階級の人々で賑わっていました。
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ビクトリア朝の郵便ポスト
歴史のある街を歩くと時々、見慣れたエリザベス2世女王のポスト(現在の一般的なポストです)とはちょっと違ったポストに出会うことがあります。モンペリエ ウォークの片隅にひっそりとあるこのポストもよく見ると6角形のビクトリア朝のもの。そんなポストに出会えるのもちょっとした楽しみです。
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旧モンペリエ ロタンダ (Rotunda)
カリアティスのあるモンペリエ ウォークを歩いていくと、屋根に丸いドームのある建物が見えてきます。ここは元はモンペリエ スパだった場所。 この建物はロタンダと呼ばれ、中にはスパのお水を汲んで飲めるようになっていました。スパというと日本人のイメージは温泉ですが、こちらでは鉱泉という意味で、どちらかと言えば健康の為に飲むものでした。ロタンダの中にはお水を飲んで休めるようになっていました。
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旧セントジョン教会だった建物を取り壊す代わりに他の目的で使用して生まれ変わらせて成功したほんの一例ですが、現在この建物にはイタリアンのZizziというレストランになっています。ステンドグラスや、中のレイアウトはほぼそのままに、少しだけ厳かな気分に浸りながらお食事も楽しめます。 ドリンク別で、パスタやピザを中心に前菜とメインで一人約25ポンド位です。
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ザ ダッフォディル
サフォーク パレードという通りは、ちょっとおしゃれな飲食店が不複数あるのですが、その中でもこの建物は元はザ ダッフォディルという映画館でした。ダッフォディルは英語で水仙。アールデコ調の建物は外側も内側もアールデコ調の装飾で楽しめます。現在はブリティッシュモダン料理のレストラン。ディナーは前菜・メインで約40ポンド。サンデーメニューは2コースで35ポンド、飲み物別です。
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1841年にジェントルマン階級の子息の教育の為に創設されたチェルトナムカレッジ。現在の場所に移ったのが1840年代後半でした。イギリスでもイートンやハーロゥに並ぶ有数のパブリックスクールです。設立当初から男子学生のみで、通学する生徒もいましたが大半は併設されている寄宿舎で生活していました。現在は共学制になっています。チェルトナム生まれのエドワード ウィルソンもこのカレッジの出身です。
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チェルトナムカレッジ チャペル
道路から一番最初に目に付くのは、チャペルの建物。カレッジの創立50周年を記念して、元学生だったHenry Protheroがデザインし、1896年に完成しました。ケンブリッジのキングズカレッジのチャペルがモデルになっていると言われています。 敷地の中は一般公開されていませんが、道路からも見ごたえがあります。
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モンペリエ スパのロタンダに来る上流階級の人々が散歩もできるようにと作られたのが、モンペリエガーデンの始まりでした。作られた当初はモンペリエ スパに来たお客様しか利用できない公園でいたがのちに一般も有料で利用できるようになりました。 現在はもちろん無料で公開されています。 ガーデンの中にあるバンドスタンドは1864年に関ししました。、現役で利用されているバントスタンドでは、イギリス国内最古と言われています。
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バンドスタンドの装飾
バンドスタンドの鉄のフェンスの装飾は、シュロップシャーのアイロンブリッジ渓谷にあるコールブルックデール社のデザインです。女性の顔が入ったカメオのような装飾なっています。 まさにこの場所で、1838年イギリス人のジョン ハンプトンが初めてパラシュートジャンプに成功しました。 彼は地上6000フィートの熱気球からパラシュートで降下して、現在のバンドスタンドのある場所に着陸しました。
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1903年に建てられた建物は、エドワード朝バロック様式の建築です。ほかの場所にあったアセンブリールームと呼ばれる大きな集会場が1900年に取り壊され、その代わりに現在の場所に建てられました。正面玄関は屋根付きのアプローチがあって、観劇やコンサートの為に着飾った観客が当時は馬車で、のちに車で到着する時に、雨などにあたらなくて済むように造られています。1927年にはチェルトナム出身のグスターヴ ホルストが自ら、自身が作曲した交響曲「惑星」の指揮をしました。
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セントラルスパ
タウンホールの中に1906年セントラル スパがオープンしました。これはスパタウンとしてのチェルトナムの復興を目指して、町の中の異なったスパ(モンペリエやピットヴィル等)の水が出るローヤルドルトン社製の蛇口が作られました。タウンホールを訪れた人は、他のスパへわざわざ足を運ばなくても、数種類のスパの水を試すことができたのです。
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グスターヴ ホルスト像
チェルトナム出身の偉大な作曲家、グスターヴ ホルスト(1874年9月21日-1934年5月25日)の像は、タウンホールの裏側にある、インペリアルガーデンに設置されています。彼の最も有名な作品は交響曲「惑星」その中でも特にジュピターは、日本でも歌詞をつけてカバーされているのでよく知られていると思います。
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インペリアル ガーデン
ホルストの銅像のあるインペリアルガーデンは花の時期になると、花壇の美しい公園です。チェルトナムを紹介するパンフレットなどの刊行物には必ずと言ってよいほど登場する景色です。 夏の晴れた日には、ここでピクニックをする町の人が多くみられます。
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1891年10月1日にオープンしたこの劇場は、フランク マンチェンという劇場建築では当時の一人者のデザインです。マンチェンは特にロンドンの劇場をいくつも手掛けた人で、中でもパラディアムやコロセウムはよく知られています。完成当初はニューシアター&オペラハウスと呼ばれていました。 1929年に、映画の上映が出来るライセンスを取得してからは多目的劇場兼映画館として利用されるようになりました。 2011年に大々的な修復作業で数年間閉館しましたが、建物や内装のアールデコ様式はそのままに再オープンして現在も様々なミュージカルや演劇を上演しています。マンチェンがデザインした劇場のうちで最も古い劇場です。
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ウィッシング フィッシグ クロック
エブリマンシアターのちょうど裏側にあるのがリージェントアーケードです。1985年にオープンした、このショッピングセンターの中にあるのはこの時計。グロスターシャーのアーティスト、キット ウィリアムズのデザインした時計は長さが約45フィート(約13.7m)もあり、10種類の異なった動物が登場するからくり時計です。30分ごとに一番下の魚からシャボン玉が噴き出すときに願いごとをすると叶うのだとか。。
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Kibou
イギリスは数年前から和食特にラーメンと餃子がかなりブームになっています。本格的なものから「なんちゃって」な和食までそれはもう沢山のレストランがオープンしています。でも、多くのお店は、日本食なんだけど、何かが違う。。という感じのところが多いような。。ここは2013年にオープンしたレストランで、地元のグルメ紙などによく取り上げるレストラン。小皿料理からお寿司までお一人様予算£35ほど。飲み物は別です。
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チェルトナムの町が作られるずっと昔の8世紀頃にはこの場所に教会があったという記録あります。教会の建物の大部分は13世紀のもの。チェルトナムで唯一残された中世の建物です。1851年から1877年まで建物の修復の為に一時的に閉鎖された他は、チェルトナムの教区教会として、町の人々の信仰の場所として町の歴史を見守ってきました。1788年には、療養のために滞在していた国王ジョージ3世も礼拝に訪れていました。18世紀から19世紀にスパタウンとして町が開発されて周囲に建物が建ったので、あまり表通りから目立たないのですが、この敷地内はどこか厳かな雰囲気に包まれています。
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ローズウィンドー
教会や大聖堂へ行くと、このように丸いデザインのステンドグラスを目人します。ローズウィンドーと呼ばれるこのデザイン、ゴシック様式の教会などによく使われています。チェルトナムミンスターのローズウィンドー、実は19世紀に補修作業が行われた際、ガラスをもとに嵌め込む時に一枚だけ向きを間違えて戻されてしまいました。その一枚を探してみるのも楽しみの一つです。
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スキリコーン大佐の慰霊碑
スキリコーン大佐は、ただの敷地内あった泉を、水の効能を分かったうえで、スパとして一番最初に開発をした人でした。 泉を整備して井戸を作り、訪れた人が楽しめるよう樹木を植えて並木道をつくり、まさにスパタウンの基礎を築いた人です。彼の慰霊碑はとてもユニークで、この慰霊碑を読めば彼の生涯の功績がすべてわかる程。ここまで詳しく人物の一生が彫られた慰霊碑はとても珍しいものです。
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地元だけでは全国版のグルメ紙やSNSでサンデーローストを食べるならココとよく取り上げられるレストラン。いわゆるガストロパブです。 話題のサンデーローストは日曜日のスペシャルメニュー。ローストのお肉と野菜にグレイビーのかかったイギリス人の家庭料理でもありソウルフードです。 かなりのボリュームがあるのでお腹を空かせてどうぞ。ローストディナーは一人約20ポンド、デザート一品約7ポンド、飲み物は別です。予算的に前菜とメインあるいはメインとデザートに飲み物をお一人様約35ポンド程です。 通常メニューだと、前菜とデザートは一品約7ポンド前後、メインは15ポンド前後です。
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店内の様子
オールドコートハウスという名前の通り、元は裁判所の建物です。ダイニングエリアは古い装丁の本が並べられた重厚な書棚と、壁一面に飾られた絵の数々で目でも楽しめます。地下1階は、元々裁判にかけられる犯罪人を仮に収容した牢屋の名残がワインセラーになっていたり、とても興味深いレストランです。
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