
日帰りドライブ 〜エルガーとマルバーンヒルズを訪ねて~
海外日帰りドライブ 〜エルガーとマルバーンヒルズを訪ねて~
ウースターはウースターシャー州の中心地。 今回はウースターから出発する日帰りドライブのコースをご紹介します。イギリスの作曲家エドワード エルガーがこよなく愛したマルバーン ヒルズを彼に縁のある場所を中心に訪れてみました。
このプランの行程
今回のドライブはウースターを起点にしています。 バーミンガム国際空港からウースター市内まで車で約50分。 電車ではバーミンガム インターナショナル駅から乗車して、バーミンガム ニューストリート駅下車、バーミンガム ムーアストリート 又は スノーヒルまで徒歩5分、どちらの駅からでもウースターまで直通で約1時間15分で到着します。 ロンドンヒースロー駅からは車で約2時間半。 電車ではユーストン駅からバーミンガム ニューストリート駅から上記の駅に乗り換えて、ウースターまで約2時間40分です。
車
ウースター市内から車で約30分。
17分
16分
8分
1分
このプランのスポット一覧
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元は17世紀に建てられたマナーハウスですが、19世紀初頭に増築されました。19世紀の半ばには、当時の流行の最先端として、貴族階級の人々が社交を繰り広げていました。1920年代には当時の所有者であるファミリーも少人数のスタッフに管理を任せて他の場所に住んでいました。1937年9月に起きた火事によりかなり焼失します。世の中は戦争に向けて進んでいる時代、費用をかけて修復されることなく、そのままの状態で売りに出された結果、残るのは骨組みだけになってしまいました。現在は イングリッシュヘリテージの管理になっています。 入場料は大人一人£9.90、イングリッシュヘリテージのメンバーは無料です。
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ペルセウスとアンドロメダの噴水
広大な庭園の中で、最も目立っているのが、屋敷の裏側のテラスから見えるこの噴水。 1860年頃作られ、ギリシア神話に登場する英雄ペルセウスと、アンドロメダがモチーフになっています。噴水の中央は間欠泉型になっていて、なんと高さ約36mまで噴き上げるそうです。
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庭園からみた屋敷の風景
庭園の中でも噴水と屋敷を一緒に見られるスポットはついつい写真を撮ってしまいます。 ゆるく傾斜のついた、芝生が続く道を歩いて行って、振り返ると見られる風景は、特に、青空が広がっていると尚更、ここが廃墟だという事を忘れてしまいそうになります。 少しだけ、いつもの日々とは切り離されたような、ここだけゆったりした時間の流れがあるように感じます。
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湖
出入口になっているショップから、屋敷のあるところまではゆっくり歩いて10分程。季節になると、アザレアやシャクヤクも美しい、遊歩道を散策できます。 ウィットリー コートのガイドブックには、Pond=池と書かれていますが、サイズ的には小さな湖くらい。湖の周囲も遊歩道があって、自然を楽しむことができます。 ショップは小さいながらもちょっとしたお土産も購入できます。
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グレート ウィットリー教会
グレートウィットリー教会は、村の教区教会でもありますが、ウィットリーコートに隣接しています。 ただこちらは、イングリッシュヘリテージとは別で、教会への入り口は別にあり、ここを訪ねるだけなら無料です。 小さいながらも美しい教会の中には、ウィットリーコートに縁のあるファミリーの慰霊碑等を見ることができます。
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作曲家エドワード エルガーは、1857年6月2日、ウースターシャのローワー ブロードヒースで生まれました。特に有名は作品は、「エニグマ変奏曲」、「威風堂々」や「愛のあいさつ」は聞いたことのある人も多いと思います。ナショナルトラストが管理しているエルガーの生家は中を見学することもできます。また、併設のビジターセンターではエルガーを紹介するミニ映画や彼の書斎を再現した展示、エルガーと彼の作品に関する本などを購入できるショップがあります。 トイレのみ、カフェはありません。入場料は大人一人£9.90。 駆け足でまわっても、約1時間半ほど必要です。
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エルガー像
生家のガーデンにあるエルガー像。ベンチに腰掛けているエルガーの横に座ると、遠くに見えるのはマルバーン ヒルズ。彼はマルバーン ヒルズをこよなく愛していました。76年間の彼の生涯のうち55年はマルバーン ヒルズが見える場所に住み、作品の多くはマルバーン ヒルズからインスピレーションを得ていたと言われています。この像からマルバーンヒルズがいつも見えるように、生垣が少し低めに刈り込まれているんです。
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マルバーン ヒルズにある町の中で最もにぎわっているのが、グレート マルバーンという町です。ここは、マルバーン ヒルズのトレッキングやハイキングに訪れる人々の玄関口でもあり、夏のピークシーズンには多くの人で賑わいます。 町の中でひときわ存在感を放つのがこのグレートマルバーン プライオリー。この場所に、AD11世紀に作られたベネディクト修道会派の僧院が始まりです。現在は英国国教会の教会として開かれています。1860年代大規模な修復を兼ねた改築が行われ、ゴシック復古様式の現在の姿になりました。この改築を手掛けたのは、ロンドンのセントパンクラス駅をデザインしたジョージ ギルバート スコットです。
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中世のタイル
プライオリーの中の見どころの一つは、1860年代の改築の際に見つかったのが中世のタイル。一つの場所でこれだけ状態の良いタイルが見つかったのも珍しいのですが、イギリスで最も多い中世のタイルのコレクションと言われています。
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ステンドグラス
プライオリーには15世紀のステンドグラスも数多く残っているのですが、それに加えて現代のステンドグラスも見事に調和しています。写真は、ステンドグラスでは、現代のイギリス国内で第一人者と言われるトーマス デニーのデザインによるステンドグラスです。
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ベル ビュー テラス (Belle Vue Terrace)
グレートマルバーンのメインストリートの側にある小さな小さなガーデンには、マルバーンの水がそのまま飲める泉や作曲家エルガー像の彫刻があります。 マルバーンからの眺めを楽しむかのようにエルガー像が立っています。
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マルヴィーナの泉 (Malvhina Spout of Malvern Spring Water)
イギリスでもマルバーンヒルズのミネラルウォーターは一つのブランドとして、人気がありました。ビクトリア女王が海外視察の際にマルバーンの水を持って行ったというのは有名なエピソードです。グレートマルバーンにあるこの泉。ゲール神話のマルヴィーナと名付けられた彫刻は水源からフィルターで処理されたお水が常に流れ出ている蛇口です。このまま飲めるので、ここに水を汲みに来る人も見かけます。
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ザ ユニコーン
19世紀中ごろから後半にかけて、マルバーンはここの水を使ったスパタウンとして人気がありました。指輪物語で有名なトールキン、ナルニア国物語のCS ルイスもマルバーンの常連でした。特にこのザ ユニコーン、CSルイスが良く訪れたパブなんです。 入り口のアーチの上のユニコーンが目印。 現在は食事は出していないパブなので、ソフトドリンクはありますが、基本的にはお酒オンリーです。エール一杯£3.50から。
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フォーリー アームズ ホテル(The Foley Arms Hotel)
グレートマルバーンは19世紀のビクトリア朝時代に、スパタウンとして発展しました。当時の交通手段は馬車だったので、馬車で旅をする人が滞在する宿をコーチインと呼んでいました。このホテルも元はコーチインの一つ。現在、ホテルの1階は全国展開して、手頃な値段で食事や飲み物を提供するチェーン店のパブになっています。食事はメインで£10ポンド前後。飲み物はコーヒー等が£1から、ビール1杯£2.50~。
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ホテルからの眺め
チェーン店のパブの一番のウリはとにかくほかに比べて安いこと。 なので味の方はそこそこなんですが、それでもここに行く理由は、奥のテラスからの景色なんです。 晴れた日は遠くシュロップシャーの丘陵地帯まで見張らせる良い眺めなので、暖かくなるととても混み合います。おすすめはランチのピークタイムを少し外した時間帯。ホテルの宿泊は一泊ツイン又はダブル2名1室食事なしでルームチャージが約£75です。
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作曲家エドワード エルガーが埋葬されたのは、ここセント ウルスタンズ カトリック教会です。エルガーは、頻繁に引っ越しをしたために、彼の足跡はウースターシャー、ヘレフォードシャー、そしてロンドンなど沢山あります。カトリック教徒として育ったエルガーですが、リトル マルバーンに家族と住んでいた時は、毎週日曜日、彼の家族は歩いて、そしてエルガー自身は自転車に乗って、礼拝に参加していました。
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エルガーのお墓
教会の裏の墓地にあるエルガーのお墓。エルガーは、頻繁に引っ越しをしたので、彼が住んでいた家はウースターシャーやヘレフォードシャーに点在しています。この教会のあるリトル マルバーンに家族と共に数年住んでいた時は、毎週日曜日になると彼の家族は歩いて、そしてエルガーは自転車でこの教会の礼拝に参加していましたのがよく知られています。
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マルバーン ヒルズの中の一つ、標高1109フィート(約338メートル)、鉄器時代の要塞兼集落が山頂にあったことが知られています。 イギリス人は野歩きを楽しむ人が多いと思います。 比較的遊歩道も整備されており、マルバーン ヒルズの中でも登りやすい山で、天候が悪くなければ、比較的軽装でも、ゆっくり登って山頂まで1時間もかかりません。でも、軽装と言っても、足元だけははしっかりと装備していく事をお勧めします。 山頂からのパノラマは登る価値ありです。山頂に立つと、人工的に作られた要塞らしき跡があるのがわかります。
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ブリティッシュ キャンプからの眺め
奥に見えるのはコッツウォルズの丘陵地帯。晴れている日にはくっきりとコッツウォルズの丘が見えて、マルバーン ヒルズとコッツウォルズに挟まれるように広がる畑や牧草地の平野部が見渡せます。
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ザ マルバーン ヒルズ ホテル & レストラン(The Malvern Hills Hotel & Restaurants)
ブリティッシュ キャンプへの登山口には公共の駐車場もあって、朝6時から夜11時まで一日£4.60で駐車できます。 駐車場から道路を挟んで向かい側にあるのがこのホテル。オフシーズンで一泊朝食付き、二名一室で約£110。レストランの他、朝食や軽食が食べられるバーもあります。朝食はイングリッシュブレックファストで£12、軽食は£10~。レストランは飲み物別で前菜+メインで予算は一人£30程です。
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