朝ドラファン必見。大丸心斎橋店改装閉店前に建築美を堪能。
大阪朝ドラファン必見。大丸心斎橋店改装閉店前に建築美を堪能。
建物が美しくて有名な大丸心斎橋店。この建物が老朽化の観点から立て直しが決定しており、今月12月30日を最後に解体され2019年に再開予定です。新しいビルも今の様式を残した形にはなるそうですが、いまの姿を見れるのは今のみ。こちらの建物、実は朝ドラ「朝がきた」と深い関係があるんです。朝ドラファンなら是非ご覧になってください。大阪が舞台の朝ドラには今も当時の面影が残る場所がたくさんあります。 12月2日から12月30日まで回顧展が行われてますので合わせてみてください。
中を見る前にまずはこの建物の歴史から。 この建物は1933年に完成しました。 開業当初京都の大文字焼きにちなんで「大文字屋」という名前だったそうですが、名古屋進出に合わせて丸の中に大の字のロゴにし今の大丸という名前になったそうです。 この「大」は分解すると「一」と「人」。「丸」は「宇宙」を表しており、「世の中で一番の商人になるーという願いが込められているそうです。なんか素敵ですね。
この建物をデザインしたのはアメリカ人建築家
この建物は日本に宣教師としてきたアメリカ人、ウィリアム・メレル・ヴォリーズによってデザインされ建築されました。この方は当時関西において多くの建造物を残しており、どれもとても素敵です。
関西に今でも残る多くの作品。
この写真は代表作の一つである神戸女学院です。こちら以外にも教会、別荘等多くの建物を残しています。
あの山の上ホテルも彼の作品です。
東京で有名なこのホテルも彼の作品です。こうやって繋がりが見えてくると面白いですね。
メンソレータムを日本に広めたヴォリーズ。
ヴォリーズさんは本当に日本に色々なものをもたらしてくれた方で、メンソレータムもその一つです。 当時メンソレータムを製造販売していた近江兄弟社を創立された1人だそうです。
朝ドラ「あさがきた」との深い関係
このヴォリーズさん、実は今の朝ドラのモデルとなった「広岡浅子」さんと深い関係があります。 ヴォリーズさんは日本に来て日本人女性と結婚しますが、この女性の方が広岡浅子さんの娘「亀子」の旦那の妹さんなんです。 そのため、ヴォリーズさんは大阪の肥後橋に作られた「大同生命」本社や広岡家の別荘などを多く手がけています。 朝ドラも後半で出てくるかもしれませんね。
建物の特徴は細部のひとつひとつが丁寧に作られていて本当に美しいこと。天井もとても細かいデザインがされていてうっとりします。
入り口付近
入ってすぐの所の天井です。このクリーム色に花をかたどったデザインが美しいですね。
一階天井
とても細かいデザインが施されたガラスを縁取りにタイルが飾られてます。うっとりです。
エスカレーター付近
エスカレーター乗り場の天井をみるとまた細かい細工がされてます。
季節によって飾られてる時も奇麗
シーズンによってこんなデコレーションがされてます。本当に綺麗。
階段に行くとこんな石楼のようなものが手すりの所にデザインされてます。 建てられた後に戦争が起きたため、鉄を使っていた所は剥がされてしまったそうです。今でも名残があるのかは、探してみてください。 こういった所もまた歴史を感じて逆にいいですよね。
金の扉に細かいモザイク模様。綺麗です。
階の表示部分
階を表す標識のところ。かわいいですね。
フロア毎に違うデザイン
これもなんか素敵です。
柱もたまりません。この細かいデザインが天井のデザインと繋がっていて綺麗なんです。
入り口にあるピーコックの彫刻。このピーコック、実は昔、大丸のシンボルとして使われてたらしいです。
大丸のロゴの歴史
大丸のロゴ、よく見るとひげみたいのが付いてるのですがご存知でした?縁起がよいとされる「七五三」にちなんで似た商標と区別するためにつけられたそうです。 このロゴが一時期ピーコックになったようです。 梅田の大丸も昔、ピーコックが入り口の所に飾られていたらしいです。
入り口部分
アールヌーボーを思わせる細かくて繊細なデザインが素敵です。
遠くから見た様子
白に赤のルーフが綺麗ですね。日本のデパートじゃないみたいです。
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ここで建物を違う形で楽しめるカフェを紹介します。 中2階にあり、1階を見渡せるようになっているカフェがあります。 私はここのカフェが大好きで大丸に行くと大抵ここでお茶をしながら建物をうっとり見てます。
中央柱
とはいえこのカフェ自体にもヴォリーズを感じられます。細かいデザインが美しいですね。
カフェ自体にも素敵です。
百貨店にあるカフェらしくとても品がありとても綺麗で美味しいです。是非スイーツも合わせて楽しんでください。
大同生命?そう、あの朝ドラ「朝がきた」のモデルとなった広岡浅子が開いた生命保険会社の本店です。朝ドラ、ヴォリーズ繋がりで是非ご覧になってください。肥後橋駅のすぐそばで大阪駅からも近いです。旧本社はヴォリーズがデザインを行いました。現在のビルは建て直されたものですが、当時の面影が所々残っています。 当時、支店もヴォリーズが設計したそうですが、現存する建屋はないそうです。
加島屋があった場所に建設。
広岡浅子の嫁いだ加島屋は土佐堀川沿いにありました。この土地を使い、今の大同生命本社が建設されました。昔ここの土地にこのような風景、ドラマがあったのかと思うとワクワクします。
土佐堀川。
こちらが加島屋、大同生本社前を流れる土佐堀川です。広くて綺麗ですよね。
ヴォリーズが建てた初期の本社社屋。
こちらが実際に当時ヴォリーズが設計した大同生命本社です。アーチの形をした窓が素敵ですよね。
アーチが特徴的。
ビルの下の方が傘のように絞られているようなデザインになっていてとてもら個性的です。傘の下の窓はアーチ上の窓があります。当時の面影がどこかしら感じます。
現在。旧本社の一部を移築。
こちら現在の写真です。ヴォリーズ建築をできるだけ残すため旧本社のテラコッタを移築されたそうです。細かいデザインが素敵ですね。
店内。
こちら現在の中の様子です。こちらも当時の面影を残す事を意識して作られたそうです。ステンドグラスの大きな窓、細かいデザインが施された天井、そしてレトロなシャンデリア。どれも本当に素敵です。
店内。その2
こちらも現在です。クモの巣のような天井がどこかアールヌーボーのような印象を作ってますね。