【ダム特集】耳川水系ダムロードで歴史的なダムを堪能しよう!
宮崎【ダム特集】耳川水系ダムロードで歴史的なダムを堪能しよう!
宮崎県の耳川水系には、日本初の大規模アーチダムの上椎葉ダムや、登録有形文化財・近代化産業遺産の塚原ダムなど歴史を感じるダムが多く、山須原ダムなど工事中のダムもあり、水力発電の見所が豊富です!(写真協力:九州電力株式会社) ※九州電力株式会社が発行する「ダムカード」の情報は、以下のURLからご確認ください。 →http://www.kyuden.co.jp/company_outline_branch_miyazaki_initiative_damcard_index.html ※今回ご紹介するダム周辺の道路については、工事などにより通行規制を行っている場合があります。あらかじめ、宮崎県道路規制情報(URLは以下のとおり)をご確認の上、お越しください。 →https://roadi.pref.miyazaki.lg.jp/roadinfo/public/
日本初の大規模アーチダム。洪水吐きにスキージャンプ式を採用し、2つの放流水をぶつかり合わせて減勢させる構造。下流河川へのスムーズな流下を目的に左右のシュート部分の高さを変える工夫がしてある。また、洪水吐きゲートのクレスト部とシュート部が離れているのも大きな特徴。
ダム放流
ダム放流の様子。
オススメ情報
上推葉ダムの貯水池は日向椎葉湖と呼ばれ、県内有数の釣りスポットで特にヤマメについてはかなりの大物も釣れるという。毎年8月11日(山の日)には椎葉夏祭りが開かれ、ダム堤体より打ち上げられる1,000発の花火が湖に彩りを添える。
日本初の近代化施工で有名な塚原ダム建設で培った技術を更に改善(コンクリート骨材の貯蔵方法やプラントの配列、生コンクリートの輸送方法等)し、施工面での経済性や安全性を追求して工事が進められた。斜めに整列している9つのピアやダム上流面の張り出し部の曲線も美しい。
ダム放流
ダム放流の様子。
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国の重要無形民俗文化財である椎葉神楽が伝承されており壇ノ浦の戦いで滅亡した平家の残党が隠れ住んだ地の1つとされる平家の落人伝説の地でもある。 毎年11月には椎葉平家まつりが開かれるなど、今なお伝承文化が息づく村である。 また椎葉村名産の「菜豆腐」も絶品。 ※写真は「鶴富屋敷」の外観
日本初の近代的な機械化施工で造られたダムとして有名。コンクリート打設は当時最新式のバイブレーターを採用し、また、硬化時の発熱量を低減する中庸熱セメントの使用などコンクリートの品質向上や施工の合理化が図られた。ダムの天端等に凸凹高欄を施しており、西洋の城壁や万里の長城のようにも見える。文化庁の登録有形文化財、経済産業省の近代化産業遺産に選ばれている。
ダム放流
ダム放流の様子。
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諸塚村は、2015年12月に世界農業遺産に認定された。先人たちの森を守る取り組みが次世代に継承すべき伝統的な「山間地農林業システム」として世界に認められた。
支流七ツ山川にあり、貯水は諸塚ダムへ注水されていて、「日本で2番目に小さなアーチダム」といわれている。越流天端に設けられた4つの出っ張りは越流時に負圧を防ぐ役割を持ち、水切りを担っている。これが見えるダム越流が最も綺麗。
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諸塚村観光協会では、エコツアー「諸塚でやま学校しよう!」を実施。年間を通して山村の暮らしを体感できる。また、諸塚山では、毎年3月第1日曜日に『日本一早い山開き」を開催。 ※写真は「めんぱづくり」の様子
日本に13基しかない中空重力式ダム。その中でも珍しい下流面開放型の形状となっている。下流面に施されたスリットが5箇所あり、中空内面、外面と建設当時の型枠技術の高さが伺える。
ダム放流
ダム放流の様子。
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諸塚山などの急峻な山々に囲まれ、95%が山林。スギ等の針葉樹林、椎茸の原木等となる落葉広葉樹林や照葉樹林がパッチワーク状に広がり諸塚村特有の「モザイク林」が形成されている。
耳川水系で一番古く昭和4年に竣工し、それ以降は上流に向けダムの開発が行われた。平成23年11月からダム中央部を約4m切り下げ大型洪水吐きゲートを2門設置する改造工事を実施し、平成30年8月に竣工。ダムは上流から土砂が通過することから大型ゲート(スライドゲート)に戸当り溝への土砂流入防止等いくつかの対策を施している。また、大型ゲート上部にある吊鐘形状のものはホイストクレーンを格納するカバーで、西郷ダムのモニュメントにもなっている。
ダム放流
ダム放流の様子。
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平成18年に旧、 南郷村·西郷村-北郷村が対等合併して誕生した美郷町には美郷三大祭といわれる各地区の祭りがある。(南郷区「師走祭り」、西郷区「御田祭」、北郷区「宇納間地蔵尊大祭」) ※写真は「師走祭り」の様子
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耳川水系の最下流にあるダムであり、 逆調整池機能を有しており、下流への一定以上の水量を確保する重要な役割も果たしている。コンクリートダムというより大きな鋼製ゲートと、その上部にかかるアーチ型の架台が特徴。
ダム放流
ダム放流の様子。
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九州で最初のダム式発電所(ダム湖とダム直下にある発電所との落差を利用して発電する方式)で、 ダムの調整池には温泉施設やウェイクボードが楽しめるレジャー施設「石峠レイクランド」が整備されている。
ダム中央部を約9m切り下げ大型洪水吐きゲートを1門設置する改造工事を実施中。堤体は既設を利用し、新設ゲートのピア等を新しく造ることとなる。既設堤体は巨石コンクリート工法 (サイクロピアンコンクリート)であり、当時の重力式コンクリートダムの特徴とも言える。今回の工事の切り下げでその存在(巨石)を確認できた。
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諸塚村は、国際的な森林認証「FSCⓇ森林認証」を村全体で取得した林業が盛んな村。また、FSCⓇの森からとれる椎茸も世界で唯一のFSC®認証を取得。