石川県能登地方をめぐる歴史旅
石川石川県能登地方をめぐる歴史旅
能登立国1300年を記念して、石川県能登地方のお寺で寺宝の特別公開が行われると聞いた。 そこで愛知県から1泊2日で、前から行きたいと思っていたお寺を巡る旅を計画した。 メインは輪島市にある曹洞宗の大寺院、「総持寺祖院」。 そして羽咋市にある同じ曹洞宗の「永光寺」。 七尾市では前田利家ゆかりの「山の寺寺院群」も訪れたいと思った。 名古屋から特急しらさぎで金沢へ。金沢から特急「能登かがり火」で七尾へ。 七尾からはレンタカー。七尾で一泊して翌日もレンタカー。 お寺をテーマにすると、どうしても女子旅にしては地味目になってしまう。 でも二人にとって素敵な歴史散策の旅となった。
レンタカーを借りるとまず総持寺祖院へ車を走らせた。 ここは曹洞宗の大本山として1321年に開山した古刹だ。 明治時代の火災により多くの建物は焼失し、本山は神奈川県に移転した。そののち、こちらは祖院として復興している。 能登半島の地震で大きな被害を受け、修復が続いている。 写真の総ケヤキづくりの山門も修理中だった。 訪れた時、境内のあちこちが修理中で工事現場のようだった。2018年は「能登立国1300年、秘宝めぐり」キャンペーンも行われ、普段見られない寺宝が特別公開されている。
復興された伽藍
法堂、仏殿、僧堂、大師堂、山門など再建されている。受付で「慈しみの小道」イラストマップをもらって境内のパワースポットめぐりをした。
寺宝の特別公開
明治時代の火災で焼失を免れた貴重な寺宝が公開されていた。キャンペーンは2018年10月31日まで。
芳春院
芳春院は加賀藩祖、前田利家公の夫人。自らの菩提所をここに置いた。 江戸期の総持寺の繁栄は、加賀藩の手厚い援助によるものだ。
総持寺祖院の門前町に建つ展示館。 ここを見学すると総持寺祖院の歴史がよくわかる。 総持寺祖院について、禅の修行について、門前町の歴史についての資料やパネルを展示している。 輪島市指定文化財「旧酒井家」の見学もできた。
総持寺祖院の門前にあるお蕎麦の店。 「手仕事屋」の名前に惹かれて入る。十割そばを注文。 お蕎麦もお豆腐もとてもおいしかった。
山の寺寺院群は前田利家が城下を守るため、多くの寺院を集めたエリア。宗派はさまざまな16の寺院が点在する。 予約すれば拝観できるところも、外観を見るだけのところもある。 2日目の午前中、3か所ほどのお寺を見学。隠れキリシタンの寺「本行寺」が特に印象に残った。「能登立国1300年 秘宝めぐり」キャンペーン期間中は寺宝が公開されていた。
隠れキリシタンの寺、本行寺
「隠れキリシタンの秘仏」「高山右近のマリア像」「キリシタン小紋」など寺宝が公開されていた。 残念ながら写真撮影禁止だった。
高山右近伝説の井戸
キリシタン武将、高山右近が本行寺に滞在した時、聖水を取った井戸があった。 「ジーパン和尚」で知られる名物和尚さんの話を聞くことができた。
「きく亭」のお茶会
「きく亭」という元七尾城にあった茶室が本行寺に移築されている。 ちょうどお茶会が開催されていた。 和尚さんに勧められ飛び入り参加。 地元の方々との語らいのひと時はいい思い出になった。
瞑想の道
山の寺の寺院をめぐる散策路は「瞑想の道」と呼ばれている。 車一台がやっと通れる道。車で入ると大変なことになる。車は観光用駐車場か、駐車場のあるお寺に停めて歩くのがいい。
JR七尾駅の目の前にあるホテルに一泊する。 リーズナブルな料金で快適な宿だった。 特に無料サービスの朝食がいい。能登の食材、調味料などにこだわりを持っていて、朝からこんな御馳走でいいのかしらと驚きの内容。 一つ一つの料理が本当においしいと思った。 ここに泊まったらしっかり朝食をとって出かけたい。
こだわりの朝食
この日は「焼き魚の日」。具だくさんのお味噌汁、サラダ、お惣菜、ごはんもお米がおいしい。地元産の最高ランクのお米を使っているとか。
お土産ショッピング。七尾湾を望む道の駅「能登食祭市場」へ。 新鮮な魚介や海産物がずらりと並ぶショッピングスポットだ。 鮮魚店の奥の「浜焼きコーナー」が人気。 ここで買った魚介類を焼いてその場で味わえる。 館内にレストランはもちろん、コンサート会場まであった。
お土産を買う
意外なことに、海産物の他にお菓子類も充実。七尾をはじめ能登地方から金沢地区のお土産まで、ほとんどここで揃う。
- アプリで地図を見る
夕食は地元の人たちの間で人気の和食の店「あめや」へ。 お店の外観を見ると老舗らしく高級そう。 入るのをちょっとためらったが、中に入るとモダンなインテリアでお値段は案外お手頃価格。 うな重の特上が2000円だったのには驚きだった。
七尾の街にある古い商店街を散策した。 時代から取り残されているような雰囲気の中、ところどころにある登録有形文化財のお店の個性が光っている。
2日目の午後から、能登国分寺跡へ。 奈良時代、聖武天皇の詔により能登にも国分寺が建てられた。 その後国分寺は荒廃し、跡地は長い間水田になっていた。 近年になって発掘調査されるようになり、建物の一部が復元され「能登国分寺公園」として整備されている。 国分寺の遺構がはっきりとわかるのは全国でも珍しい。
ご朱印
能登立国1300年を記念して、「能登国分寺のご朱印」が作られた。ご朱印は能登国分寺展示館でもらえた。2018年限定とのこと。 現存しない寺院のご朱印を作っちゃうとは面白い。
最後は羽咋市にある永光寺へ。 鎌倉時代からの古い歴史を持つ曹洞宗のお寺だ。 応仁の乱と戦国時代の兵火で焼失し、江戸時代に再建された。 「能登立国1300年 秘宝めぐり」期間中は寺宝が公開されていた。
歴史を感じる境内
永光寺の境内は広い。境内をのんびり散策すると、その古い歴史と自然の豊かさを感じることができる。