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個展開催!マリタ・リウリア『Golden Age』フィンランドを代表する世界的アーティスト

2019年1月5日(土) 〜 2019年1月17日(木)

ポイント!
  • 日本での個展は2004年の原美術館以来15年ぶりである
  • 今年、フィンランドの芸術家に贈られる最高位の勲章を受賞
  • しなやかで強い信念をもつマリタ・リウリアと考える黄金時代

アートとリサーチの取り合わせ、文学的思考とビジュアルアーツの結びつき、テクノロジーへの飽くなき探求心、性差への問い。マリタ・リウリアは、美術史上にないものを創造したいという情熱のもと、唯一無二の世界観を確立し、常にフィンランド現代美術界の第一線を走ってきた。

時代に即した表現を試みる彼女の作品は、メディアアート、絵画、写真、インスタレーション、ステージパフォーマンス、ショートフィルム、書籍、ゲームなど広範に及ぶが「境界を超えること(Crossing Boundaries)」が全ての作品に通底し、自身の内的世界を探る多様なテーマに挑んできた。

1990年代には世界に先駆けメディアアート作品を発表し国際的に評価され、2000年以降彼女の創作はより精神世界に入り込み、生きるすべや宗教観に焦点を当てている。

この個展は、2016年にフィンランド郊外のSerlachius Museum Gösta(セルラキウス ミュージアム ゴスタ)にて開催した大規模個展「Golden Age」をもとに新作絵画と写真作品を加え再構成し、リウリアによる近年の作品が一堂に介す。絵画作品は、難民問題、自然災害、異常気象、環境汚染といった世界の現状が物語として表現され、フィンランドの人々を撮影した写真作品からは、長年世界各国を旅してきたリウリアが今改めて故郷フィンランドへ向けるまなざしが感じ取れるだろう。

会期中、アーティスト本人が会場にて作品を制作する様子を観ることができる。

国際的に活躍してきたマリタ・リウリアが、Golden Age:黄金期をキーワードに、観客と対話しながら個々にとって、そして共同体にとっての黄金時代を考察し、美と神秘性を再定義する。日本での個展は、2004年の原美術館以来15年ぶりの開催となる。

本展の見どころ

タイトルの「Golden Age」には3つの意味が込められている。

1つ目は、アーティスト自身における「黄金時代」です。マリタ・リウリアは、1980年代にアーティストとしてのキャリアをスタートさせ、以降世界各国で経験を積み、今まさに作家としての円熟期を迎える。出展作品は、絵画、写真、映像と今まで積み重ねてきた作品からの応用が見られることだろう。

2つ目は、素材としての「金」だ。本展に出展する絵画作品は全て、最初にキャンバス一面に黒い溶岩の顔料が塗られることから始まりる。今にも吸い込まれそうな暗黒をベースに「金」を主とした絵の具で描き出される絵画。黒と金の対比に目を奪われることだろう。

3つ目は、フィンランド美術界の「黄金時代」だ。1917年にロシア帝国から独立したフィンランドで、アーティストたちが自国のアイデンティティを強く打ち出そうと活動をした時期が第一の黄金時代、そして、1960-70年代、経済発展と福祉社会の確立を遂げ、フィンランドが世界に名を馳せる国に発展した時期を第二の黄金時代とマリタ・リウリアは捉えている。そして、第三の黄金時代はいつなのだろうか?

国にとって、個人にとって、Golden Age:黄金時代とは何なのか。経済恐慌、自然災害、宗教、そして難民など、世界が抱える問題に対し、アートができることとは。彼女は問い、思考を促す。

プロフィール

フィンランドを代表する現代美術作家。フィンランドのヘルシンキとヘイノラを拠点に活動。ヘルシンキ大学で文学と政治史を学び(BA、1986)、アアルト大学でビジュアルアーツを学ぶ。メディアアート、絵画、写真、ステージパフォーマンス、短編映画、書籍、ゲームなどその表現方法は多岐にわたる。世界50カ国以上で展覧会を開催、20カ国以上の大学で講演を行なう。2004年にアアルト大学(フィンランド)から初のアーティスト・イン・レジデンスの招待を受ける。主な個展をKiasma(ヘルシンキ)、フィンランド国立美術館(ヘルシンキ)、アモスアンダーソン美術館(ヘルシンキ)、原美術館(東京)、Conde Duque(マドリード)、バンコク国立博物館(バンコク)、ノイムンスター修道院(ルクセンブルグ)で開催。パフォーマンス公演は、ヴェネツィア・ビエンナーレ、Théâtre du Châtelet(パリ)、The Joyce Theater(ニューヨーク)、J.F. Kennedy Center(ワシントン)、国立オペラ座(フィンランド)などで実施してきた。The Prix Ars Electronica in Austria (1996) 、The Prix Möbius International in France (1996, 1999)、The Finland Prize、The Finnish Cultural Fund Prize、Erik Enroth Prize、Stina Krook Foundation Prize (2008) など権威ある賞を多数受賞している。2018年、フィンランドの芸術家に贈られてきた最高位の勲章「プロ・フィンランディア(Pro Finlandia)」を受章した。

関連イベント

【TALK】ギャラリーツアー 

マリタ・リウリアが展覧会を解説。

  • 日時:2019年1月5日(土) 14:00—15:00
  • 会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
  • 参加無料/事前申込不要 当日直接会場へ。

【TALK】 アーティストトーク

担当キュレーターを交えディスカッション形式で、出展作品について話す。

  • 日時:2019年1月10日(木) 18:00—19:00
  • 会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
  • 参加無料/事前申込不要 当日直接会場にお越しください。

【WORKSHOP】 マリタ・リウリア展で『こども哲学』しよう!

小学生を対象に、展覧会を鑑賞しながら自分の考えを言葉にして、作品を共有する楽しさを体験するワークショップを開催する。

  • 日時:2019年1月14日(月・祝) 14:00—15:00 対象:小学生
  • 会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
  • 企画協力:NPO法人 こども哲学・おとな哲学 アーダコーダ
  • 参加無料/事前申込制 詳しくはSpiral Web(www.spiral.co.jp)マリタ・リウリア展のページを要確認。

【EVENT】 Spiral Art Lounge Boca with Marita Liulia

アートと暮らす上質な生活空間を提案するプレミアムギャラリーであるSpiral Art Loungeに、マリタ・リウリアを迎え、トークと作品の販売をする。

  • 日時:2019年1月11日(金) 19:00—21:00
  • 会場:スパイラルルーム(スパイラル9F)
  • 会費制/事前申込制 詳しくはSpiral Art Loungeの公式サイト(www.spiralartlounge.jp)をご覧ください。

【COMMERCIAL EXHIBITION】 MINA-TO Art Wall Marita Liulia

マリタ・リウリアの小作品を展示販売する。

  • 期間:2019年1月5日(土)— 1月17日(木) 11:00—20:00
  • 会場:MINA-TO(スパイラル1F)

開催場所

イベント情報

マリタ・リウリア展「Golden Age」

開催期間

2019年1月5日(土) 〜 1月17日(木)
会期中無休

開催時間

11:00〜20:00

問い合わせ先

お問い合わせ:03-3498-1171(スパイラル代表)

主催者

株式会社ワコールアートセンター

オフィシャルサイト

写真一覧