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特別展開催!「資生堂ギャラリー100周年記念展」初代社長・資生堂ギャラリーの創設者の福原信三の美学とは

2018年10月19日(金) 〜 2019年3月17日(日)

ポイント!
  • 資生堂ギャラリーは2019年に開廊100周年を迎える
  • 100周年記念プロジェクトとして2つの特別展を開催する
  • 福原信三と他2人の3者共同プロジェクトだ

資生堂ギャラリーは、2019年に開廊100周年を迎える。資生堂の初代社長であり、資生堂ギャラリーの創設者である福原信三は、資生堂の化粧品づくりやデザインの基礎を築いたことのほか、近代日本の先駆的な写真芸術家として活動したことで知られている。時を経た今、福原の活動を振り返り精査してみると、そこには資生堂という企業の経営、あるいは写真家としての活動領域を超えて、社会創造に積極的に関わった極めて現代的な芸術家としての姿が浮かび上がる。
 資生堂ギャラリーの創設から1世紀を経て精査された福原の美学は、今日の社会において、どのような創造的輝きを解き放つのだろうか。資生堂ギャラリーでは、2018年10月19日(金)から2019年3月17日(日)まで、100周年記念プロジェクト「それを超えて美に参与する 福原信三の美学 Shinzo Fukuhara / ASSEMBLE, THE EUGENE Studio」のもとに、2つの特別展を開催する。
(1st:2018年10月19日(金) 〜 12月26日(水)まで、2nd:2019年1月16日(水) 〜 3月17日(日)まで)

 「それを超えて美に参与する」 これは、福原が実際に語った言葉であり、ある領域を超えて美の創造に取り組むという福原の意志を述べたものだ。その領域とは、例えば絵画と写真、写真と俳句などといった芸術ジャンルの境界から、工芸品と工業製品との違い、あるいは既成の価値観や従来のものの見方を乗り越えるようなことでもある。このような領域を超えて美の創造に取り組もうとする福原の姿勢は、芸術と経済の境界を行き来し、さまざまな社会の中の創造的な活動をつないでいくことで、ひいては社会をより良い美しいものに変革していこうとする、これまで知られることのなかった福原の人物像といえるだろう。
 福原はまた、こうした活動を推し進めるために、銀座のギャラリーやパーラーといった、人々が出会い、自由に対話することができ、さまざまな新しい価値観を共有し、感化し合えるオープンな場の役割を重視していた。彼の写真を中心とした芸術活動のネットワークも、こうした場とつながり、そのつながりを通して社会の中に存在するさまざまな新しい価値をすくい取り、再び社会へと発信。それらを同時に資生堂の内部にも採り入れ、さらにオウンドメディアである『資生堂月報』(『花椿』の前身)を通じて日本全国へとそれらの情報を届けていった。こうした価値の循環ともいえる社会創造的な活動は、福原の独自の美学に支えられたものだった。

 本プロジェクトは、こうした福原の本質的な側面を現代において継承し、異なるかたちで社会創造的な活動と芸術の新しいあり様を提示するASSEMBLE(アッセンブル)とTHE EUGENE Studio(ザ・ユージーン・スタジオ)を100年の時間を超えたコラボレーションに招き、福原と彼らとが創造的でダイナミックな連携を試みる。ASSEMBLE、THE EUGENE Studioはともに、活動拠点やアプローチは異なるものの、従来のクリエーション領域を軽やかに乗り越え、対話や互いの挑戦、支え合いなど今日の集合的、共同的な創造性のあり方を更新することによって、既定概念を押し広げアートを社会や経済と切り結んでいく新しい創造性のあり方を私たちにも示してくれる。
 彼らは、本プロジェクトを通じて、「それを超えて美に参与する」という福原の創造的思考の断片を今日の私たちが身近に共有でき、出会いや対話をうながすスペース/プラットフォームを創った。1st展示では、THE EUGENE Studioが設定を、ASSEMBLEが空間全体を作り上げている。
 ASSEMBLEは、イギリスの建築家集団で、2015年にイギリスの権威ある現代美術のアウォード「ターナー賞」を受賞している。(2019年初めから始まる2nd展示では、彼らの「ターナー賞」受賞対象となったリバプールのグランビー・フォー・ストリーツのワークショップを東京の銀座にオープンすることで、場所を超えた美の創造に挑戦する。)
 THE EUGENE Studioは、日本のアーティストスタジオで、近年国内外で大きな注目を集めている。彼らの代表的な作品『White Painting』は、今日のグローバル環境における人々の共同的な意識を捉えつつ、より大きな美術の歴史のアップデートを試みている。(2017年11月、資生堂ギャラリーで個展「1/2 Century later.」を開催。)

 福原信三、ASSEMBLE、THE EUGENE Studioの3者は、それぞれの美学をともなって、既成の領域を超えてさまざまな創造に参画することで、価値の循環と相乗効果を生む社会創造に取り組むという点で共通している。資生堂ギャラリーの開廊100周年に際し、3者の共同プロジェクトともいえる本展は、従来のアーカイブ展としては類を見ない、時間と空間を超えた3者のチャレンジングな展覧会となる。それはまさに、1世紀前に福原が実践した創造的な活動とその意志を今日に共有するものと私たちは考える。
 また、本プロジェクトにおける福原信三の美学の精査については、福原が遺した200余のテキスト―およそ145万字に及ぶ芸術や美に言及したテキストを、AI・自動言語処理による形態素解析を通じて、彼の活動の指針となった思考を独自に解釈した。こうした新しいアプローチをベースとした独自のキュレーションも本展の際立った特徴のひとつだ。本プロジェクトにおいて提示されるユニークな視点と試みが、新しい社会の美と創造の可能性を見出すための貴重な機会となることができるだろう。

ホリデー編集部

ホリデー編集部からのコメント

資生堂の原点を感じることができる特別展になりそうですね。

開催場所

イベント情報

「それを超えて美に参与する 福原信三の美学 Shinzo Fukuhara / ASSEMBLE, THE EUGENE Studio」展

開催期間

  • 1st:2018年10月19日(金) 〜 12月26日(水)
  • 2nd:2019年1月16日(水) 〜 3月17日(日)

開催時間

  • 平日 11:00〜19:00
  • 日・祝 11:00〜18:00
    毎週月曜休
    (月曜日が祝日にあたる場合も休館)

料金

入場無料

問い合わせ先

03-3572-3901

主催者

株式会社 資生堂

オフィシャルサイト

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