1749年に刑死した遊女かしくの供養のため、祥月命日の毎年3月18日正午から、法要&芸能奉納を催行。
今から二百七十余年前、大坂北の新地・新屋敷の遊女かしくは、酒の上の過ちから実兄を殺め、千日前の刑場の露と消えた。最期に臨み、「悪酒を止むる神霊とならん」との誓願を立てたという。爾来、かしくは禁酒・断酒の守り神として信仰され、かしくの墓を擁する法清寺(大阪市北区曽根崎)は「かしく寺」とも称されて現在に至っている。
かしく祭は、かしくの祥月命日である三月十八日に毎年厳修される祭事で、法要と芸能奉納から成る。芸能奉納は、世話人の上方文化評論家 福井栄一が企画制作し、当日の司会進行・演目解説も務める。今回で戦後六十九回目を数える、浪花の春の風物詩である。