三島由紀夫作品「豊饒の海」春の雪 散歩 第1巻 「春の雪」の旅
三島由紀夫作品「豊饒の海」(ほうじょうのうみ)散歩 作品"豊饒の海"は、三島由紀夫が懐く唯識論を基本に物語が完璧なまでに展開されている。 そんな作品の舞台となる場所を歩きました。 先ずは、第1巻 「春の雪」の旅を纏めました。
帯解寺
月修寺の聡子に会いたく清顕が向かう 月修寺の御附弟となった聡子に会いたく清顕が、親である公爵夫妻の目を盗み、本多からお金を借りて登校先の学校から直接、2月21日の朝に月修寺へ向かう。 晩、大阪のホテルに泊まり、次の朝、帯解の町にある葛野や旅館という商人宿に部屋を取っている。 写真は、帯解の町の帯解寺のある風景。
円照寺が作品にある月修寺のモデル
松枝清顕は二十歳で死ぬ。 午前、午後となんども月修寺を訪れ、白々と閉め切った玄関の障子の外から声をかけているが、門跡にさえ会わせてくれなかった。 肺炎にかかっていた清顕は、体力もなくなり25日の夜には電報で本多に来てくるるよう依頼している。 そして、本多が東京に連れ帰った清顕は、その2日後に20歳で亡くなている。 本多への最後の言葉は、「今、夢を見ていた。又、会うぜ。きっと会う。滝の下で」
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