三島由紀夫作品「豊饒の海」春の雪 散歩 第1巻 「春の雪」の旅
三島由紀夫作品「豊饒の海」(ほうじょうのうみ)散歩 作品"豊饒の海"は、三島由紀夫が懐く唯識論を基本に物語が完璧なまでに展開されている。 そんな作品の舞台となる場所を歩きました。 先ずは、第1巻 「春の雪」の旅を纏めました。
鳥居坂
清顕が、勅許が降りた綾倉家に忍んで出かける。 六本木六丁目から市電に乗り終点で降りる。 この写真にある当時の地図を見ると、市電の終点は今の鳥居坂下の交差点にあたる。地図の黒い線がその市電を示している。 そこに人力車駐車場があり、清顕は俥に乗り目と鼻の先にある綾倉家の長屋門へ行き、清顕の母が既に帰宅したかどうかを調べている。 母が帰宅済みである事を知ると俥を鳥居坂際まで戻している。そして、車夫に蓼科を呼びにやらせている。 地図を見ると、鳥居坂を上った所に長屋門を持つ綾倉家のモデルになった、と思われる家がある。地図にピンで示した場所である。現在、鳥居坂ハウスがある場所あたりのようである。
霞町三番地
蓼科は、清顕を知り合いが経営する軍人相手の下宿屋に俥で案内する。 蓼科は、車夫に、霞町三番地あたりから、三連隊の正門のほうへ廻って下りてゆく坂道があります。その坂を降りたところ、であると伝えている。 そこは、板塀に囲まれた広い庭の二階建ての下宿屋である、と描かれいる。 当時の地図を見ると、それに当たりそうな家が一軒見つかりました。その家にピンで、また三連隊の正門と鳥居坂にある綾倉家にピンで示している。 写真にある下半分が現在の地図にそれらの場所にピンを立ててある。 作品の舞台風景が明確になる。 3日後、この下宿屋の二階で清顕は、聡子と密会する。。
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