お江戸商人と巡る【日本橋】~3千両が動く江戸の中心地~
日本橋案内人:魚河岸の棒手振り 茂吉/越後屋の奉公人 小太郎 天保12年(1841年)
午前4時。江戸の台所日本橋の商人たちの朝は早い。
日本橋のたもとにある魚河岸では今日も到着したばかりの魚が次々と卸されている。
まだ日が昇る前だというのに、良い魚を仕入れようと魚桶二つを棒に引っ掛けた棒手振りでごった返している。
茂吉「どいたどいた!小僧、橋の上でぼさっとしてるんじゃないよ」
小太郎「し、失礼いたしました。伊勢に帰る駄賃を数えていたもんでして・・・」
茂吉「越後屋の丁稚かい?」
小太郎「へぇ。主人から暇をいただいて里帰りするんでございます」
お彩「すみません、旅の者ですが、お二人は日本橋近辺にお詳しいですか?ちょっとこの辺を案内して頂きたいのですが」
茂吉「俺は急いでるから、この坊主に頼んでくんな」
小太郎「わたしは越後屋で奉公している小太郎という者でございます。これから伊勢へ向かいますが急ぐ旅でもございません。付近をご案内して差し上げましょう」
お彩「越後屋にお勤めの方がご案内下されば心強いです!」
こうして茂吉と別れ、小太郎と共に日本橋巡りをスタートしたのでした。