京都お気に入り仏像巡り~東山四条松原界隈~
京都京都お気に入り仏像巡り~東山四条松原界隈~
京都の観光地と言えば清水寺!と言っても過言ではないくらいに多くの人で賑わう清水寺。現在は多くの人が四条通りから八坂神社から二寧坂、三寧坂を通って参拝しているでしょう。昔の参道は五条通、といっても現在の五条通りではなく、昔の五条通である松原通でした。また、この鴨川から清水寺に向かう五条通の途中には六道の辻と呼ばれるこの世のあの世の境目があったり、平家の邸宅や源氏の六波羅探題、臨済宗の大本山などがあるなど歴史と深く関係している地域なのである。 そんな歴史ある地域には多くの歴史ある寺社があり、多くの魅力的な仏像たちがいらっしゃる。四条通りから清水寺を参拝する前・する後にぜひ立ち寄ってほしい、せっかくきたのに拝観しないのはもったいない、歴史を感じられるおすすめの仏像たちを紹介します!
観光客などで混み合っている四条通りに面していながら、一歩境内に足を踏み入れると、静かな別世界が広がる。多くの観光客は前を通りながら全く存在に気付いてないようだ…。 このお寺は仏師で有名な定朝が治安二(1022)年に四条橋の東北の地に地蔵菩薩を祀ったのが始まりとされる。 安貞二(1228)年大雨の際に、雨を止ませる様に祈願をし雨が止んだことから、勅願寺になっている。また、本尊はこのことから「雨止地蔵」と呼ばれるようになった。それが訛り今では「目疾地蔵」と呼ばれ、目病に効果があるとされる。
本尊・地蔵菩薩坐像
仲源寺の御本尊。大きなお地蔵様で、目が赤くなっているのが特徴的。暗くなる時間に行くと薄暗い御堂の奥に照らし出される迫力ある御像を拝観できる。
千手観音坐像
本堂右手の観音堂にいらっしゃる大きな千手観音坐像。春日仏師により平安時代後期に作られたとされる。 全体的に黒みがかった御姿、優しい御顔などから、やわらかい雰囲気を感じられる千手観音様である。
臨済宗建仁寺派の大本山。祗園のまちなかを抜けると広い境内にお堂が並んでいる。 建仁二(1022)年源頼家が寄進し栄西を開山として建立された。栄西は臨済宗を開いた人で、日本にお茶を広めた方としても有名。室町時代には京都五山の第三位に列せられることもあった。 数々の火災で創建当初の建物は残っていないが、方丈などが重要文化財に指定されている。臨済宗のお寺らしく勅使門から方丈までほぼ一直線堂宇が配置され、周りには現在でも塔頭が立ち並ぶ。
両足院
建仁寺塔頭の一つ。 建仁寺住職を多く輩出し、室町時代の五山文学の中心の一つ。「建仁寺の学問面」で有名であった建仁寺の学問を担っていたようである。 境内の毘沙門堂に毘沙門天を祀っている。この毘沙門天は鞍馬寺の仏像であったが、戦国時代に黒田長政の念持仏になり、代々黒田家に伝わっていたものである。普段は御前立を拝むことが出来る。
禅居庵
建仁寺塔頭の一つ。 小笠原貞宗が元弘年間に建立。建仁寺第二十三世清拙正澄が隠退の場所として使用した。禅師は中国出身。日本に来る際に持ってきた像が、摩利支天堂に本尊として祀られる摩利視天像である。普段は御前立が厨子の前に立っているが10月20日にのみ本尊が開帳される。日本三大魔利支天の一つとされる。 狛犬ではなく、摩利支天が乗る事も多い猪の狛猪がいる。
承和三(836)年の創建とされる。 昔このあたりが葬送の地である鳥辺野の入口であった関係から、六道の辻と呼ばれあの世とこの世の境だとされていた。現在ではその面影はないが、お盆の時期に御先祖様の魂を迎える行事六道まいりに面影をしのばせる。 また、平安時代のスーパー貴族小野篁がこの寺の井戸を使いあの世とこの世を行き来し、昼は天皇、夜は閻魔大王に仕えていたとされる。その井戸も健在。
閻魔大王像
あの世で魂の生前の行いを見て亡くなった人の魂の行き先を決める怖い仏様で有名。平安時代の貴族小野篁はこの閻魔大王に仕えたとされる。閻魔堂のガラス越しに拝観出来るこの像は小野篁が作ったとされている。
小野篁像
勉学も運動も出来る当時のスーパー貴族小野篁の像。高身長であったとされることからこの像も高身長で迫力がある。
薬師如来像
平安時代藤原時代の作で重要文化財。重厚な作りの中にやわらかな優しさの見えるお顔がすばらしい仏像。 普段は非公開であるが予約するか六道まいりの際に訪れると拝観することができる。
天暦五(951)年もしくは応和三(963)年に空也上人によって開創されたとされる寺院。空也上人が自ら刻んだ十一面観音像を本尊としている。ちなみに此本尊は12年に一度辰年に開扉される。 周辺は平氏の邸宅や幕府の六波羅探題があったとされる場所で以前は多くの信仰を集め数々の堂宇が立ち並んでいた。現在は住宅街の中に本堂を中心に数棟の建物が建つのみであるが、多くの人の思いと共に守られてきた平安時代から鎌倉時代の素晴らしい仏像が伝わっている。教科書に載っているその時代を代表する仏像もいらっしゃる。近くに来たのに見ないなんてもったいない!
薬師如来像四天王像
収蔵庫に並ぶ仏像の中の一尊。平安時代の作とされ、大きな御姿の中に優美な姿を見る事ができる。周りを守護している四天王像と共に重要文化財である。
地蔵菩薩立像
平等院鳳凰堂の阿弥陀如来坐像を作成した仏師定朝の作と伝わる。 手に頭髪を持つため「鬘掛地蔵」の別名が付いている。
地蔵菩薩坐像
鎌倉時代の有名な仏師運慶の作とされる。運慶が夢の中で出会った地蔵菩薩の姿を彫刻したものと伝わる。りりしく美しい顔つきや鋭い衣文などを見る事ができる。
空也上人像
開創の空也上人の像。念仏を唱えながら歩き悪鬼悪霊を打ち払うお姿。口からでる小さな像は阿弥陀如来像で、「南無阿弥陀仏」と唱えていることを表している。とても写実的で、角度によっては玉眼が光より一層その場に空也上人がいっらしゃるようでる。
伝平清盛像
こちらも教科書に載っている様な有名な像。 この他にも仏師運慶・子の湛慶の像など見ごたえのある像が並んでいる。