レンブラントゆかりの旅 ライデンとアムステルダム
海外レンブラントゆかりの旅 ライデンとアムステルダム
今年(2019年)はレンブラントの没後350年という記念の年です。レンブラントと彼が活躍した黄金時代17世紀をお祝いして、オランダでは様々なイベントが開催されます。今年でしか見られない貴重なイベントと、レンブラントが生まれ育った町ライデンの見どころを訪ねるプランです。
江戸後期に来日し、日本で医学を教えた最初のヨーロッパ人とされる、フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトは、帰国後ライデン大学の教授として、ライデンに長く住んでいました。その邸宅が「シーボルトハウス」というミュージアムになっています。 シーボルトコレクションから選りすぐりのものが展示されています。なんでも集めたシーボルトのコレクションには、地図や動植物の標本はもちろん、現代の日本には残っていない庶民のささやかな日用品やニホンオオカミのはく製などがあり、興味がつきません。 (写真:©オランダ政府観光局)
シーボルトが日本から持ち帰った植物は、ライデン大学付属の植物園を経由し、ヨーロッパ全土に広がりました。持ち帰った植物の一部は、いまも植物園で元気に育っています。大学付属の植物園は一般に開放されています。シーボルトを記念した日本庭園もあり、6月にはアジサイの花がひっそりと咲いています。 (写真:©オランダ政府観光局)
駅に到着して、ライデン市内へ入ってすぐの、運河の橋の左手に見えてくるのが、巨大な風車。愛称「ファルコン(ハヤブサ)」で親しまれている18世紀の風車は、1930年代まで粉引き風車として活躍していました。現在は、ライデン市立デ・ファルク風車博物館(Molen de Valk)として公開されています。粉屋の道具や風車に住んでいた人の生活がそのまま展示されています。 レンブラントのお父さんは、こうした粉ひきのための風車を持つライデンの製粉業者でした。風車で製粉したヘルシーな全粒小麦粉をお土産にどうぞ。 (写真:©オランダ政府観光局)
オランダ王室に寄贈されたシーボルトの日本コレクションを核として「日本博物館」として開館、ヨーロッパ初の民族学に関する博物館として知られるのが、ライデン国立民族学博物館です。オランダ最古の大学の街らしいアカデミックなスポットで、世界各地の興味深いコレクションが発見できるミュージアムです。 (写真:©オランダ政府観光局)
オランダ最大の美術館。オランダの中世から現代までの芸術と歴史の宝、8000点を展示。レンブラントの傑作やフェルメールの希少な作品4点など、17世紀黄金時代の主要作品を所蔵しています。美術館の最大の見どころは、門外不出のレンブラントの「夜警」です。その迫力には圧倒されることでしょう。ドールハウスのコレクション、古伊万里を模したデルフト焼のアンティーク、オランダ最大の美術本の蔵書を誇るカイパース図書室など見どころがたくさんあります。 (写真:©アムステルダム国立美術館Photo by Iwan Baan)
レンブラントがアムステルダムに移り住み、画家として成功し、1639~1658年まで最も華やかな時代を過ごした家が、現在ミュージアムとして一般公開されています。レンブラントが破産宣告を受けたときに作成された財産目録を基に、17世紀当時の家具、美術品などを利用して、アトリエや居室などの様子が再現されています。エッチングを中心に作品の展示や、銅版画を刷るデモンストレーションが体験できます。レンブラントの波乱万丈な人生に思いを馳せてみましょう。 2019年はレンブラント没後350年記念展を開催しています。 (写真:©オランダ政府観光局)
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旧市街でもっとも高いのがこの西教会。1669年、画家レンブラントがここに埋葬されました。西教会の近くの隠れ家に息をひそめて暮らしていたアンネ・フランクが度々日記に書いたのも、前ベアトリクス女王が1966年に結婚式を挙げたのもこの教会です。体力に自信がある方は、教会の塔の上までガイドツアーで登ることが出来ます。 (写真:©オランダ政府観光局)
たくさんの人でにぎわうレンブラント広場でエスケープ(Escape)、カフェ・デ・クローン(Café de Kroon)、カフェ・デ・シラー(Café de Schiller)といったカフェ・バーが深夜まで営業しています。広場の名前はもちろん有名な画家であるレンブラントに由来。レンブラントの像が広場中央の目立つ場所に立っています。さらに楽しいのが、あの有名な作品の登場人物たちが、レンブラントの像の周りを囲んでいるのです。そう「夜警」です。 (写真:©オランダ政府観光局)
フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」、レンブラントの「ニコラース・トゥルプ博士の解剖学講義」、ファブリティウスの「五色ヒワ」など、オランダ黄金期の珠玉の絵画が200点程展示されています。元々、王族ゆかりの貴族の館だった建物には風格とエレガントさが漂い、貴族の家に足を踏み入れたような気分。宝石箱のような美術館といわれています。 レンブラント没後350年の特別記念展「レンブラントとマウリッツハウス美術館」が2019年9月15日まで開催されています。2019年10月17日からはレンブラントの最も才能あふれた弟子といわれる「ニコラ―ス・マース展」が開催されます。 写真(c)オランダ政府観光局