”どうする家康”ゆかりの地、愛知県岡崎へ…!
愛知”どうする家康”ゆかりの地、愛知県岡崎へ…!
愛知県岡崎市は、徳川家康公生誕の地です。「人の一生は重荷を背負って遠き道を行くがごとし。いそぐべからず。」という言葉を残した家康は、戦乱の中に生まれ苦労を重ね、じっと我慢で実力を蓄え、天下をとって平和な世を作り上げた人です。戦国の三英傑の中では、信長、秀吉に比べ、ちょっと地味な存在…。”老獪なタヌキ親爺”といったイメージが定着しているようですが、2023年の大河ドラマではどう描かれるでしょうか…? そんな家康ゆかりの地を訪ねて、その実像に迫ってみました。家康くんの生まれた岡崎城と、ゆかりのお寺である大樹寺をメインに、瀧山東照宮と瀧山寺を組み合わせたコースです。おまけとして家康公が好きだった八丁味噌のお店の工場見学も付いています。車で回る早朝から夕方までの一日コースですが、電車とバスなら一部カットすれば充分回れます。
愛知県岡崎市にある、徳川家康の先祖が建てたお寺。つまり、松平家、徳川家の菩提寺です。家康が19歳の時に桶狭間の合戦があり、今川義元が倒されました。今川側だった家康は敵に追われ、このお寺に逃げこんだ…!そして先祖の墓前で自害しようとしたところ、お寺の住職に「厭離穢土、欣求浄土」(戦国の世を住みよい浄土にするのがあなたの役目です。)といさめられ、自害を思いとどまったと伝えられています。お寺には徳川家ゆかりの品が数多く残されています。参拝プラス宝物拝観(有料)がオススメです…!
重要文化財の多宝塔
1535年に家康公の祖先、松平家が建立。国の重要文化財です。「大樹」とは、将軍や偉大な人物に付ける称号。松平家からそのような人が出ることを願ってこのお寺を「大樹寺」と名付けたそうです。本当にその通りになりました。
まず本堂に参拝しましょう
本堂に入ると案内放送が流れ、本尊阿弥陀如来にまずご挨拶します。続いてお寺の説明があります。「厭離穢土」「欣求浄土」と書かれた金色に輝く柱が印象に残りました。
徳川歴代将軍の等身大位牌
徳川歴代将軍(14代まで)の位牌を安置しています。位牌は等身大(亡くなった時の身長)に作られているとか…。家康公の位牌は159㎝でした。ちなみに5代将軍、綱吉公は124㎝でびっくり…!
徳川家康公の木像
家康公の33回忌の時、三代将軍家光公により作られました。家康公が亡くなる時、位牌は大樹寺に祀るよう指示。「ワシに会いたくなったら大樹寺へ参るがよい。」と、言ったとか…。
豪華…!冷泉為恭の襖絵
大樹寺には国の重要文化財に指定されている襖絵があります。幕末の頃活躍した大和絵師、冷泉為恭の作。「将軍御成の間」はひときわ豪華です。(レプリカです。)
家康お手植えのしいの木
大方丈のそばにある立派なしいの木の古木は、岡崎市の天然記念物に指定されています。お寺では、「家康公お手植えのしいの木」と伝えられています。
”南無阿弥家康”???
晩年の家康の日課は、戦いで亡くなった人の供養に「南無阿弥陀仏」を書くことだったとか…。「南無阿弥陀仏」とびっしり書かれたものが残されています。一番最後が「南無阿弥”家康”」となっているのは不思議…?
”厭離穢土欣求浄土”のご朱印
大樹寺のご朱印は、お寺や仏像の名前ではなく、「厭離穢土」「欣求浄土」の文字…!歴史ドラマや漫画で家康の戦陣シーンがあると、この「厭離穢土」「欣求浄土」の旗が掲げられています。
戦国時代、徳川家康が生まれたのはこの岡崎城でした。家康が江戸幕府を開いてから、城主は譜代大名が守っていました。 お城は、明治維新に取り壊されましたが、昭和34年に天守閣が復元され、周囲は岡崎公園として整備されています。 天守閣の内部は公開され、資料館となっています。 岡崎城は石垣など昔の面影がよく残っています。史跡を見ながら公園散策も楽しいです。
記念撮影スポット
岡崎城内部は展示内容がリニューアルされました。 「岡崎城シアター」は、壁面と床面に江戸時代の城下町の映像が現れます。お城内部もデジタル化が進んでいるようです。 「岡崎市のマスコットキャラクター”おかざえもん”の登場する漫画チックな記念撮影スポットも登場しています。
天守閣から大樹寺が…!
天守閣の最上階には、大樹寺専用望遠鏡、”ビスタラインスコープ”があります。大樹寺から岡崎城を眺められるよう徳川家光公が配置したそうですが、今でも景観は守られ、岡崎城からも大樹寺を見渡すことができました。
岡崎城シアター
床面と壁面に岡崎城下町の様子が投影されています。床面の円形に囲まれた文字を踏むと、どぉ~んとそれに関係する華やかな映像が現れ、子供達が走り回っていました。
家康公産湯の井戸
家康公が岡崎城で生まれた時、この井戸で汲んだ産湯を使ったとか…。2015年から井戸水が出るように復元されました。地元では家康にあやかる”開運パワースポット”と言われています。
出世開運の”龍の井戸”
もう一つ、地元で”パワースポット”と言われている井戸を紹介します。天守閣の横にある井戸も、家康の開運出世の”龍の井戸”と伝えられ、今注目を浴びています。
家康に会えます…!
岡崎公園に立つこの像は、家康公没後350年祭を記念して作られたものだそうです。他に、徳川四天王の一人、”日本一強い武将(?)”本多忠勝の像もありました。
龍城神社
岡崎城本丸に鎮座する神社。家康公が誕生した時、お城の上空に金色の龍があらわれたという伝説があります。家康公と本多忠勝を祀っています。勝ち運を呼ぶパワースポットかも…?
戦国武将と写真撮影も…!
お城周辺には武将隊のメンバーも現れ、記念写真の撮影に応じてくれます。徳川四天王の一人、井伊直政さんです。「よう参られたの~。」武将隊の名刺ももらえます。
岡崎公園にある家康公と三河武士を紹介する歴史資料館です。 家康公の先祖から、家康公の生涯、家康の家臣などの資料を展示しています。この建物は2024年1月まで、1年間限定で”どうする家康大河ドラマ館”になっています。
家康公の甲冑(レプリカ)
大河ドラマ館では、作品紹介パネルや登場人物の紹介パネル、撮影に使った衣装や小道具の展示がありました。金色に輝く家康公の甲冑は、写真撮影OKスポットでした。
大河ドラマ撮影の衣裳
徳川四天王の一人、本多忠勝の撮影に使った衣装です。人気撮影スポットとなっていました。
岡崎公園の中にある郷土料理のお店です。岡崎名物、八丁味噌を使ったでんがく、味噌カツなどで知られています。戦国武将大好きな人達の間で、密かに話題にされているのが、”戦国武将パフェ”です。抹茶風味の”徳川家康パフェ”、黒蜜風味の”本多忠勝パフェ”、苺を使った”井伊直政パフェ”もあります。
家康公SP金陀美パフェ
家康公の”金陀美具足”をイメージしたパフェが登場しました。大きくカットしたキウイフルーツにマンゴーアイス、竹炭クッキーには葵のご紋章。金箔が輝いています。
本多忠勝パフェです…!
おお~っ!本多忠勝の兜を思わせるクッキーがのっています…!生クリームには八丁味噌パウダーが、そして黒蜜シロップとかりんとう饅頭のハーモニーが本多忠勝らしいかも…。歴史ファンにはたまらない~!
八丁味噌の味噌カツ
岡崎の特産品”八丁味噌”を使った味噌カツです。家康の長寿の秘密は”八丁味噌”にあったのではないかと地元の人は語っていました。
菅生神社は岡崎で一番古い神社と言われています。 家康公は25歳の時、ここで開運厄除けを祈願したと伝えられてる”家康公ゆかりの神社”です。最近では”絵入り御朱印”と”花手水””カワイイ絵馬”が人気を集めています。
”花手水”で知られています
境内のあちこちに”花手水”が置かれ、愛知県の花手水の名所として知られています。それぞれ違った味わいがあって、捜してみるのも楽しいです。
絵入り御朱印で知られています
かわいい絵入り御朱印が人気です。大河ドラマ”どうする家康”スタートに合わせて、家康公にちなんだ金色の甲冑の御朱印も登場しています。
”カワイイ絵馬”がいっぱい…!
菅生神社のハートの絵馬がカワイイ…!イラストは1960年代~70年代に活躍したイラストレーター内藤ルネさんのものだそうです。ルネさんは男性だと聞いてびっくり…!
家康公生誕の地、岡崎城より西に八丁離れた、八丁村で作られたのが、”八丁味噌”の由来だそうです。家康公は、麦飯と故郷の味、八丁味噌をずっと愛好していたそうです。今も江戸時代から続く2軒の蔵元で作られ、工場見学もできます。今回はそのうち、”カクキュー”の史料館と工場見学をしました。見学は無料で、所要時間30分程度です。八丁味噌赤だしの試供品をお土産としてもらえました。
史料館の見学
史料館の建物は、明治40年にできたもの。登録文化財に指定されています。昔の看板や八丁味噌のできるまでの作業、昔の桶なども展示されています。社員の方による味噌作りの詳しい説明もあります。
味噌蔵の見学
味噌蔵の中には大きな味噌樽が立ち並んでいました。蒸した大豆に麹を混ぜ味噌玉に…。それを大きな桶に入れて、石を山のように積んで、じっくり寝かせておきます。このような味噌蔵がたくさんありました。
試飲、試食コーナーも…!
八丁味噌と赤だしの違いは…?それは材料だそうです。八丁味噌は、豆、塩、水だけで作られるのに対し、赤だしは米味噌をブレンドしたもの。試飲コーナーで味噌汁の飲み比べができます。八丁味噌の濃厚なうまみを味わって…!
最後にお買いもの…!
”八丁味噌カレー”、”味噌キャラメル”、”味噌玉クッキー”などお土産に買いました。どれもおいしかったですが、中でも”八丁味噌カレー”は、こくのある味わい。岡崎ならではのお土産でした。
味噌ソフトクリーム
味噌ソフトクリームは、八丁味噌の風味が生きているおいしいソフトクリームでした。これに黒蜜の特製ソースのかかった「八丁モダンソフト」も登場しています。
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瀧山寺は、約1300年前に役行者により創建されたお寺です。 源頼朝の厚い信仰を得て繁栄し、室町時代の戦乱により一時衰微しましたが、江戸時代になって徳川家の保護を受け復興、整備されました。本堂は優美な桧皮ぶき寄棟作り。重要文化財に指定されています。瀧山寺は”鬼祭り”で知られるお寺ですが、今回初めて訪れ、古い歴史を持ち、素晴らしい文化財があることを知りました。 このお寺も宝物殿の拝観(300円)がオススメです。
聖観音・梵天・帝釈天三尊像
鎌倉時代の仏師、運慶、湛慶親子の作。重要文化財です。江戸時代に彩色し直され、色鮮やか。はっとするような美しさです。「仏像に興味のない方にこそ、見てもらいたい美しい仏様です。」仏像マニアさんの言葉です。
伝説の聖観音
中央の聖観音は、源頼朝の供養のために作られた、頼朝等身大の像だそうです。仏像の中に頼朝も遺髪と歯が納められているという伝説がありましたが、エックス線調査でも確認されたようです。
宝物殿に不思議な仏像が…!
宝物殿で注目したいのは、「光を照らすと表情が変わる十一面観音」です。厳しいお顔の観音さまが、上からライトを当てるとやさしいお顔に…!その不思議な変化に驚きます。(写真をお見せできないのが残念です。ぜひ現地で…!)
ミステリースポット山門
山門は、お寺から少し離れた場所にあります。大屋根の尾垂木が1か所だけ逆さになっているのに注目を…。これに関して悲しい伝説があり、ちょっとしたミステリースポットとして知られています。
春を告げる鬼祭り
三河地方に春を告げるお祭りです。天下泰平、五穀豊穣を祈って行われ、2016年は、2月13日(土)の夜行われました。本堂を舞台に松明を持った若者が鬼を追い、火に包まれる勇壮なお祭りだそうです。
鬼の面
”鬼祭り”に使用していた鬼の面が、宝物殿に展示されていました。現在、祭りに使われているものはレプリカ、いや二代目だそうです。他に古い菩薩面なども残されています。
本堂、鬼祭りスタート地点
鬼祭りは本堂のこの場所からスタートするそうです。パワースポットマニアさんは、「この場所で写真を撮ると運気アップ…!」と、言っていました。何かパワーがいただけるのかな…?
瀧山寺のお隣にある、徳川三代将軍家光公が創建した徳川家康を祀る神社です。日本三東照宮の一つといわれています。日光の東照宮は、家康公のパワーをいただく”パワースポット”と言われていますが、この東照宮も”隠れパワースポット”かもしれません。
まず拝殿へ
瀧山東照宮は、1646年に建てられた歴史あるもの。以後、幕府の手で何度も社殿の修理が行われました。昭和の時代になって大修理を行い、当時の絢爛豪華だった社殿が復元されました。
拝殿の中へ
拝観料200円を受け付けにお納めすると、拝殿の中に上がることができます。 三十六歌仙の絵が掲げられていました。滝山東照宮が造られた時に奉納された江戸時代の絵師によるものです。
奥の本殿へ
拝殿、本殿、中門、幣殿、透塀、鳥居などは重要文化財です。パワースポットマニアさんは、「小さくても東照宮らしい風格あるお社。ここで家康公に会えるような雰囲気だね~。」とコメント。
質素(?)な日吉社も…。
日吉社も滝山東照宮創建当時からある、古い小さなお社です。「目立たないお社だけど、京都の宇治上神社と少し似ている”隠れパワースポット”です。」マニアさんの言葉でした。