
狭~く深~く♪紅葉を楽しむ京都、東福寺
京都狭~く深~く♪紅葉を楽しむ京都、東福寺
京都五山の一つ、古い歴史を誇る東福寺は、京都駅から近い場所にあります。 広い敷地に整然とお堂が並ぶ禅宗寺院ですが、京都の寺院の中ではちょっと地味な存在かも…。 でも、この東福寺が一番注目を浴びるのが、紅葉の時期なのです。 境内は紅葉の名所として古くから知られ、”通天橋のもみじ”は有名です。 そして、周辺にたくさんある塔頭寺院も、美しいお庭が輝くようなもみじに彩られます。 また期間限定でお茶席やお食事どころが登場…。印象に残る紅葉スポットがいっぱい…。 この時期だけ特別公開しているお寺もいろいろあり、見逃せません。 今日は、東福寺と東福寺塔頭寺院だけに的を絞り、狭~く、深~く紅葉を楽しむ東福寺をご案内します。 例年、紅葉の見ごろは11月下旬です。おまけとして周辺のお店もご紹介します。
東福寺は、紅葉の名所として有名です。 京都の紅葉の名所は、京都駅から離れた場所が多いのですが、ここは京都駅に近くて便利。 駅からJR利用で15分程度で東福寺境内に着きます。 ちょっとの空き時間でも、京都の紅葉を楽しむことができるお勧めの場所です。 写真は、”通天橋の紅葉”です。 紅葉の最盛期には、この場所からの写真撮影が禁止されるようになりました。 紅葉は、例年12月初旬まで楽しめます。紅葉の時期はいつもより30分早く、8時30分から門が開きます。
方丈庭園も彩り豊か
東福寺の方丈庭園は、重森三鈴氏作庭の昭和の庭園です。枯山水で、どれもユニークですが、特に市松模様の苔の庭が印象に残りました。
通天橋を渡って
通天橋周辺は古くからもみじの名所として知られています。渓谷沿いに、たくさんのもみじが彩りを添えています。境内は思ったより広く、ゆっくり散策を楽しめるスポットです。
”東司”ってトイレです…!
東福寺のトイレは、なんと…!文化財に指定されています。室町時代の建物で、通称”百雪隠”。もちろん、現在は使われておらず、できるのは覗き見だけです。
涅槃会で涅槃図も公開
紅葉の時期ではありませんが、毎年3月14日~16日に開催される東福寺の涅槃会もオススメです。猫の描かれている兆殿司作の巨大な涅槃図は修復のため、別の涅槃図が公開されます。
東福寺の塔頭寺院の一つ、光明院は、紅葉のお勧めスポットです。普段は訪れる人も少ない静かなお寺ですが、庭園の紅葉がすばらしく、紅葉の季節になるとカメラを持った人たちで賑わっています。紅葉に彩られた枯山水の庭園は見事です。 丸窓から眺める紅葉の庭園は絶好の撮影スポットです。
紅葉シーズンはお茶席も…!
紅葉のシーズンだけ、お庭の眺められるスペースにお茶席が設けられます。お抹茶とおはぎ、またはお饅頭で600円でした。落ち着いてお庭を眺めることができました。おはぎもおいしかったです。
東福寺塔頭の一つの一華院は普段非公開ですが、秋の紅葉の時期だけ、1か月ほど一般公開されます。 お庭は「依稀松の庭」と呼ばれ、横にぐっと長く伸びる枝ぶりの松が見事です。 ひさしぶりに訪れたら、ご本尊をすぐ近くからお参りできるようになっていたり、写経コーナーができていたり、新しく石庭が公開されていたり、お茶やお菓子が買えるコーナーがあったり…。 すごく見どころが多くなりました。オススメの塔頭寺院です。
お抹茶席、オススメです…!
お茶席もあります。1000円で、お抹茶とお菓子、拝観料込みです。お菓子は紅葉をイメージしたもので、見た目もきれい。とてもおいしかったです。
禅の心が感じられる…?
お庭には鳳凰が舞うようにも思え、龍の姿を連想するような松があります。虎に見える石もあります。でもやはりそれはただの松、ただの石…。ありのままの姿を鑑賞してこそ…!だそうです。
新しいお庭も登場…!
北側と西側にも石庭ができました。特に北庭には個室感覚で腰かけて庭を眺められるスペースができています。注目を…!くつろげる雰囲気です。
東福寺塔頭寺院の一つ、勝林寺は普段非公開ですが、紅葉の季節に毎年特別公開されています。 本堂は公家の近衛家の大玄関を移築したもの。 秘仏、本尊の毘沙門天さまもこの期間に公開されます。 長い間、仏殿の天井内に密かに祀られていたもので開運、招福、金運アップにもご利益あるそうです。
お庭の紅葉も綺麗です
秘仏、毘沙門天さまの特別公開が目的でこのお寺に行きましたが、お庭のもみじにも注目…!思ったよりずっと見応えがありました。。紅葉の季節は見逃せません。
美人祈願の「吉祥紅葉」
本堂前には、「吉祥紅葉」があります。勝林寺に祀られる吉祥天さまは美人祈願、良縁祈願にご利益があるとか…。また邪気払いもOK…。そんな吉祥天さまのパワーが宿るもみじだそうです。
奥にも美しいお庭が…!
お庭は写真を撮る人でいっぱい…。混雑していましたが、本堂の奥にももみじの庭園があります。ここは人もちらほらで、落ち着いた雰囲気。ゆっくりお庭を眺められました。
座禅体験・写経&写仏体験
勝林寺は予約制で座禅体験・写経&写仏体験をすることもできます。夜の座禅体験もあるそうです。開催日、時間などは、お寺にお問い合わせください。
国宝の方丈で知られる龍吟庵も普段非公開の寺院です。 毎年紅葉の時期に1か月間、特別公開されています。 (その他、毎年3月14日~16日、涅槃会期間中の公開もあります。) 方丈は室町時代の建築。見どころなど詳しい説明を聞きながら拝観することができます。 龍吟庵の方丈は現存する日本最古の方丈建築です。 寝殿造りから書院造りへの過渡的なものと言われ、両方の特徴を兼ね備えています。 足利義満の扁額や北の政所ゆかりの偃月橋、3つの石庭にも注目を…!
”ねね”ゆかりの偃月橋
龍吟庵に向かう参道に”偃月橋”という橋が架かっています。これは、豊臣秀吉の正室、北政所ねねが龍吟庵に参拝するため架けたもの。ちなみに有名な”通天橋”はコンクリート製に変わりましたが、ここは慶長年間のまま木造です。
足利義満公から新築祝いの額
方丈の扁額は足利三代将軍、義満公からのもの。足利義満っていうと金閣寺建てた人なんですけど、その義満公が龍吟庵の新築祝いにプレゼントしたものす。このお寺には全部で3つあります。
重森三玲の枯山水庭園
白砂だけの南庭、龍の姿を現す西庭のほか、小豆のような赤っぽい砂を使った”不離の庭”が珍しいです。東福寺の大明国師が幼少の頃、オオカミに襲われそうになったのを犬が守ったという故事に基づいて作庭されました。
東福寺塔頭の一つ、栗棘庵(りっきょくあん)は普段非公開ですが、紅葉の期間中、お寺の中に日本料理のお店”高澤”がオープン。お食事をすると、お寺の中に入ることができます。 本堂のお庭の紅葉が眺められる席に案内されました。 メニューは”もみじ弁当”だけです。 お庭のすばらしい紅葉を眺めながらお食事をしました。
門から覗いてみたら…!
門から覗いただけで、栗棘庵のもみじはこんなに素敵…!「本堂でお庭のもみじを眺めながら、お弁当はいかがですか~。」との呼びかけに誘われ、今日のランチは「もみじ弁当」に…。
もみじ弁当
東福寺の近くにある日本料理の店”高澤”のお弁当です。お弁当は3250円。手を付けるのが惜しくなるほど彩豊か、薄味で上品なお味でおいしかったです。
本堂に座ってお庭を眺めます
本堂からは、お庭の色とりどりの紅葉が眺められました。本堂の奥、お弁当席から眺めると、もみじが光輝いているようでした。混雑を避けてゆっくり紅葉を眺められるちょっとした穴場かも…。
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東福寺頭寺院の一つ、天得院は普段非公開ですが、毎年初夏と紅葉の季節に特別公開されます。 ここも桃山時代に作庭された枯山水の庭園があります。 天得院は、豊臣家滅亡のきっかけとなった方広寺の”国家安康”の鐘に関係するお寺です。 この鐘の銘文を作ったのは東福寺、南禅寺の長老だった清韓。 その清韓さんの住坊がこのお寺でした。 鐘の銘文は家康の怒りを招き、一度お寺は取り壊しになりました。 今の建物は、その後再建されたものです。
花頭窓からのお庭
天得院のパンフレットにもある火頭窓からのお庭の眺めです。やはり絶好の写真撮影スポットですね。この場所からの写真を撮りたい人の列ができていました。お庭のふかふかの杉苔も見事でした。
清韓さんゆかりのお寺です
豊臣家滅亡のきっかけとなった方広寺の鐘の銘文を作った清韓さん。大河ドラマ”真田丸”にもちょっとだけ登場しました。なかなかの存在感でした。不幸なことに”国家安康の鐘”の件で、本人は追放され、天得院は取り壊されたそうです。
東福寺塔頭の一つ退耕庵は、非公開。紅葉の時期の一般公開はありません。(”京の冬の旅”などで特別公開される年もあります。) でも、門を入ってすぐ、”玉章地蔵”のお堂周辺の紅葉が見事ですから、ちょっとだけ覗いてみましょう。 このお寺は、戦国時代に活躍した安国寺恵瓊が再興したそうです。 特別公開された時、関ヶ原の戦いの時、安国寺恵瓊ら西軍メンバーが謀議を行ったと伝えられる茶室”作夢軒”を見せてもらいました。 苔の庭も見事でした。 また、真田信之をめぐって、さまざまな歴史小説や大河ドラマ”真田丸”にも登場した桃山時代の女流書家、小野お通ゆかりのお地蔵さまもあります。
玉章地蔵に注目を…!
京都の縁結びパワースポットと言われる玉章(たまずさ)地蔵です。小野小町が自分あてのラブレターを集めて作ったとの伝説があります。また、桃山時代の女流書家、小野お通が自らの手で像を修復したともいわれています。
小野小町ゆかりの井戸
境内の片隅には小野小町ゆかりの井戸がありました。井戸の傍らの真っ赤に色づいたもみじが素晴らしく、カメラを構える人でいっぱいでした。
東福寺塔頭の一つ、盛光院(じょうこういん)は普段非公開ですが、紅葉の期間中だけお茶席が設けられ、お庭が特別公開されます。お茶席の入場券は500円でした。 お坊さんの間で人気の漫画、「雲水日記」の原画が飾ってありました。
お抹茶席
本堂のお庭が眺められる日当たりのいい場所にお抹茶席が設けられていました。雲水さんが「雲水日記」の説明をして下さいました。「これがうちのお寺にあるって、ちょっと自慢なんです。」
東福寺塔頭の一つ、東光寺は普段は非公開ですが、紅葉の期間中、お茶席がオープン。500円です。 鐘を鳴らして本堂に入り、お抹茶席へ…。 ここは穴場中の穴場です…! 東福寺が一番賑わう紅葉の最盛期、私が訪れた時には奇跡的に貸切状態でした。お昼頃がねらい目かもしれません。 お庭の紅葉を一人じめ、静かなひと時を過ごすことができました。
「茶」とあるだけですが…。
東福寺の塔頭の中には、もみじの季節、賑やかなところが多いですが、ここはひっそりとしています。門の傍らに「茶」と書いた旗が上がっているのが目印です。
お庭を眺めてお抹茶ブレイク
本堂は典型的な禅宗の方丈建築です。方丈を囲むお庭は、松、楓などの木々が配され、ふんわりした苔の美しい枯山水庭園です。鮮やかなもみじが印象的でした。
東福寺の塔頭の一つ、即宗院(そくしゅういん)は普段非公開ですが、秋の紅葉シーズンに特別公開されています。 薩摩藩島津家の菩提寺で、西郷隆盛ゆかりのお寺です。 西郷隆盛はこのお寺で討幕計画を練ったと伝えられています。
室町後期の庭園です。
東福寺の名園は昭和になってから作庭されたところが多いですが、ここは室町時代後期の庭園です。戦後、一時荒廃していたところ、昭和52年に復元されました。紅葉が見事です。
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東福寺から比較的近い距離にあるオススメの和菓子のお店です。 古い町屋を改装したお店で、玄関から靴を脱いでお座敷に上がります。 京都らしい雰囲気の中、お抹茶と季節の上生菓子を楽しめます。 ちょっとしたランチもあり、予約すれば和菓子造り体験もできます。
いろいろ楽しめる「菓子膳」
メニューで迷ったらコレがオススメです。「菓子膳」は、お抹茶と季節の上生菓子、くずきり、白玉ぜんざいのセットです。1400円。和菓子党にはたまらな~い…!
もう一つ東福寺から比較的近い距離にあるオススメのお店を紹介します。 ”ふふふあん”は古い歴史を持つ麩のお店、”半兵衛麩”の新しいお店です。 京阪電車の「東福寺」駅から2駅乗って「清水五条」へ。 駅を降りてすぐのところにあります。 伝統的な麩の他、新しい感覚でお料理に仕える麩がいっぱい。 ここの奥にある喫茶室では、麩スイーツも味わうことができます。ちょっと隠れ家的なお店でオススメ…!
麩がいっぱいの抹茶おしるこ
素敵な塗りの器で運ばれる”抹茶おしるこ”は生麩がいっぱい…! 季節を感じるもみじ、イチョウ、栗を象った麩はもちもち食感でとてもおいしかった。精進しぐれのサービスもありました。
布袋さまがお出迎え
お店は中国風というか、アンティークな家具が置かれた不思議な空間です。 大きな布袋さまの像がにこやかにお出迎え…!お腹にさわると金運アップか…?