第一次世界大戦では枢軸国から連合国側に入り勝利を収めたものの、統一されて間もないイタリアは隣国ドイツの思惑を受け入れる他に生き残る道がなく、日独伊三国同盟の調印に至った。
欧州きっての強国ドイツは第一次世界大戦の敗北により天文学的な負債を負った。結果、国内は混乱し、ヒトラーの台頭を許してしまうのである。ベルリンは第一次、第二次世界大戦において常に欧州の主人公に立ち、また第二次世界大戦終結後は東西に分けられた悲劇のシンボル「ベルリンの壁」の奥から冷戦の行き末を見守ってきた。
欧州の小国ポーランドは、隣国に強大な軍事・経済力を持つドイツと広大な土地を持つロシアに囲まれ、歴史的に常に脅かされてきた。第一次世界大戦の前に一度国を失い、再建したナポレオン亡き後またも失い、首都ワルシャワの古き良き街並みは戦火でことごとく焼き尽くされた。それでも不死鳥のように蘇るポーランド人の愛国心は、そんな歴史と強国に挟まれた立地条件ゆえのものなのかもしれない。
クラクフは古く中世ポーランド王国時代の首都であり、第二次世界大戦で焼き尽くされた比較的新しい現代の首都ワルシャワとは違い、古い町並みを残している。しかしクラクフから1時間ほどの場所には負の世界遺産「アウシュビッツ」があり、過去の悲劇を今に伝えている。