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総数350点にのぼる秘蔵の古面が勢揃い!【猿楽と面―大和・近江 および 白山の周辺から―】を開催

2018年3月10日(土) 〜 2018年6月3日(日)

ポイント!
  • 南北朝から室町、安土桃山時代の大成期にわたる350点(うち重要文化財80点)の「面」を展示
  • 主に彫刻史の観点から、文化芸能史、文学史の側面も絡めて、中世の人々が熱狂した猿楽の世界を紐解いていく
  • 能楽の歴史を知ることができる滋賀・MIHO MUSEUMの春季特別展

猿楽(さるがく)とは

古くは「さるごう、さるがう」とも読まれ、能と狂言で構成される現在の能楽(※1)のかつての呼び名だ。猿楽の起源は、通説では大陸伝来の散楽に由来し、日本古来の芸能と融合しながら芸術的完成度の高い歌舞劇へと進化して、今に至ったとされている。平安後期に書かれた藤原明衡(あきひら)(989-1066)の著作『新猿楽記』には、奇術、曲芸、歌や舞、人形劇、滑稽な物まね芸を伴う寸劇など、多種多様の演目が紹介され、当時の人気ぶりが伝えられている。やがて田楽、傀儡、猿楽などそれぞれが職業化していき、有力な猿楽師は大社寺に所属して座を形成し、祭礼や法会の儀式の一部や余興を担っていくようになった。田楽を含めた多くの座が人気を競い合い、また影響しあう中で、室町時代初期から足利将軍家や大社寺の庇護のもと、猿楽は隆盛を迎えた。観阿弥(1333-1384)は、大和猿楽の伝統である物まね芸(人の感情や行動を模す芸)に、当時流行の田楽や曲舞の諸要素を採り入れて人気を博した。その子世阿弥(1363-1443)は、鑑賞者に上流貴族層を想定し、古典や戦記物に範をとり、洗練された夢幻能(シテが超自然的な神、霊、精など)や、現在能(シテが実在した人物)を確立させ、歌舞劇としての能を大成させた。

「猿楽と面―大和・近江 および 白山の周辺から―」

この展覧会は、興福寺や春日大社などに猿楽を奉仕した大和四座(※2)の本拠地大和、世阿弥の『風姿花伝』や『申楽談義』に大和猿楽に並ぶ勢力として登場し、延暦寺や日吉大社などに猿楽を奉仕した近江、そして霊峰白山の参拝口である加賀馬場、越前馬場、美濃馬場の祭礼に使われた面などを幅広く展観する。平安後期から鎌倉時代の古面に始まり、南北朝から室町、安土桃山時代の大成期にわたる350点(うち重要文化財80点)の「面」を通して、主に彫刻史の観点から、文化芸能史、文学史の側面も絡めて、中世の人々が熱狂した猿楽の世界を紐解いていく。

※1 明治14年(1881)の能楽社の設立以来、能楽の呼称が一般化した。
※2 大和四座:結崎座(観阿弥、世阿弥を輩出・後の観世流)、円満井座(後の金春流)、坂戸座(後の金剛流)、外山座(後の宝生流)

ホリデー編集部

ホリデー編集部からのコメント

歌舞伎などに比べてピックアップされることが少ない猿楽の世界。普段あまりしられていない芸術だからこそ、面白みが隠されていそう!

開催場所

イベント情報

猿楽と面―大和・近江 および 白山の周辺から―

開催期間

2018年3月10日(土) 〜 6月3日(日)

開催時間

10:00〜17:00

料金

一般1,100円
高・大生800円
小・中生300円
※20名以上の団体は各200円割引

主催者

MIHO MUSEUM
京都新聞

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