写真展開催!カラー写真の先駆的作品が並ぶ『色彩の聖域 エルンスト・ハース ザ・クリエイション』
2019年3月1日(金) 〜 2019年5月31日(金)
- カラー写真の先駆者として世界に最も影響を与えた写真家の一人
- 1971年に写真集として発表された「ザ・クリエイション」
- エルンスト・ハースの最高傑作より厳選された21点を展示
カラー写真の先駆者として世界に最も影響を与えた写真家の一人、エルンスト・ハースの作品展が、FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)写真歴史博物館にて、2019年3月1日(金)から5月31日(金)まで開催される。
エルンスト・ハースは、1950年代にカラー写真の表現を切り拓き「色彩の魔術師」と呼ばれた写真家である。1921年、ウィーンに生まれたハースは、1947年にオーストリア人捕虜の帰還を撮影した写真でロバート・キャパに認められ、当時結成されたばかりの写真家集団マグナムに迎えられた。
ハースも当初はモノクロによるドキュメンタリー写真に取り組んでいたが、1949年から開発されて間もないカラーフィルムによる実験を始め、ニューヨークでカラーのシリーズ作品の撮影を始めた。
当時のカラーフィルムは感度が極めて低く表現の自由度に欠けるものだったが、ハースは巧みな技術でその特性を生かし、1953年に『ライフ』誌に初めてカラーフォトエッセイが掲載されると、その魔法のような色彩あふれる写真は世界中の写真家に感動と希望を与えた。
ハースはその後もヴェネツィアの街やスペインの闘牛などをテーマに次々と創造的で詩情豊かなカラー作品を発表し、1962年には、ニューヨーク近代美術館で最初のカラー写真による個展を開催した写真家となった。
本展では、1971年に写真集として発表されたエルンスト・ハースの最高傑作「ザ・クリエイション」より、厳選された21点が貴重なダイトランスファープリント(*1)で展示される。本作はキリスト教の旧約聖書「創世記」の冒頭に描かれる「天地創造」をテーマに、地球の誕生から四季の到来、生物の出現といった壮大な物語を美しくダイナミックにうたい上げた写真史上に大きな足跡を残す名作だ。
自然の姿に「天地創造」の荘厳な世界を重ね、鮮烈かつ繊細な色調で表現した作品群は、ハースの圧倒的な思想と視点を感じさせ、現代においては当たり前となったカラー写真の真の意味をも問いただす。それはまさに「色彩の聖域」であり、21世紀の今日も、そしてこれからの時代にも決して色褪せることはないだろう。
写真表現に新たな色彩の境地を切り拓いた偉大なる写真家エルンスト・ハースの世界を堪能しよう。
*1 カラー写真を三色分解(イエロー、マゼンタ、シアン)し、染料を転写して製作されたカラープリント。深みのある色と豊かな階調表現を特徴とする。プロセスが複雑で作業に熟練を要し、コストも高いため、1995年以降、姿を消しつつある技法。
開催場所
イベント情報
企画写真展「色彩の聖域 エルンスト・ハース ザ・クリエイション」
開催期間
2019年3月1日(金) 〜 5月31日(金)
開催時間
10:00〜19:00
(入場は閉館10分前まで) 会期中無休
料金
無料
オフィシャルサイト
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