東京国立博物館は2018年夏休みに、NHK Eテレ「びじゅチューン！」とのコラボレーション企画による展覧会を開催する。
「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」や「見返り美人図」、「麗子微笑」など、「びじゅチューン！」で歌になったトーハク所蔵のびじゅつ作品の複製や映像を使った体験型展示を行う。
キーワードは「なりきり」。絵に登場する人物や、絵を描いた人になりきって、びじゅつのなかで遊ぶことができる。びじゅチューン！で歌になった本物の作品も一部、展示されている。

「びじゅチューン！」とは？

「びじゅチューン！」は世界の「びじゅつ」を歌とアニメで紹介するNHK Eテレの番組だ。作詞・作曲・アニメ・歌などすべてを手がけるのはアーティストの井上涼さん。

• 毎週水曜 午後7時50分放送

展覧会のみどころ

体感！　ザパーンドプーン北斎

絵のなかに入り込んで北斎のビッグウエーブを体感でき、巨大スクリーンの映像で遊べる。
葛飾北斎の浮世絵「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」の波はどのくらい大きかったのか？
「びじゅチューン！」では、富士山に恋する波が、自分をアピールするために高く伸びあがるというストーリーだ。会場では高さ7メートル以上の特大スクリーンに、絵の中の人物が原寸大になるように「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」を拡大映像化。絵のなかの舟に乗る人物になりきってみると、大きな波が大迫力で迫ってくるはず。さらに、声の大きさで波がどんどん大きくなるインタラクティブな仕掛けによって、波の大きさを実感できる。

雨は愛すがどう描く？

もしもきみが絵師だったら、どんな雨を降らせる？　スタンプを使って浮世絵体験。
歌川広重の浮世絵「名所江戸百景・大はしあたけの夕立」の雨の表現にご注目。
「びじゅチューン！」では、主人公になった雨。会場では、雨の線を消した「名所江戸百景・大はしあたけの夕立」を用意し、そこにどんな雨をふらせるか、作者になりきって考えてみる。雨のスタンプを押して「ざぁーーーーーっっっ」、「さぁさぁ」、「ぽつぽつ」、自分の好きな雨をふらせよう。浮世絵の製作工程を知る、工程見本も展示する。

見返らなくてもほぼ美人

見返り美人になりきって、ポーズを決めてみよう。
モニターの中の見返り美人が、きみの動きに合わせて動く！
菱川師宣の「見返り美人図」。「びじゅチューン！」では、恋する男性をチラチラ振り返って見ていたらぐるぐる回ってドリルになってしまった見返り美人。彼女はなぜ振り返っているのか？見返り美人になりきって、その前後のストーリーを想像しながら、ポーズを決めてみよう。

洛中洛外　グルメチェック

屏風に描かれた400年前の京都の街に繰り出して、おいしいものを探してみよう！
岩佐又兵衛筆「洛中洛外図屏風 （舟木本）」はたくさんの人で大賑わい！
「びじゅチューン！」では、洛中洛外図の食べ物のシーンに注目する。テーマを決めて屏風をじっくり見てみると、400年前の人々のいきいきとした暮らしが見えてくるはず。絵の中の住人になりきって、京の街をあちこち散歩。お重、おまんじゅう、焼き魚、しじみ汁など、屏風の横のモニターに示された京のグルメを探すクイズ形式の体験展示だ。

顔パフォーマー麗子

不思議な表情の少女麗子。いったい何を考えているのか？
「デジタル顔はめ」で麗子になりきれば、その謎が解けるかも？！
岸田劉生の「麗子微笑」。「びじゅチューン！」では悪夢をみかんの香りで撃退する麗子。謎めいた微笑を浮かべる麗子は、見る人によってさまざまな物語をはらんでいそう。会場では、「デジタル顔はめ」で麗子になりきり、セリフやト書きでそのキモチを表現し、自分だけの「麗子像」をつくることができる。