飴細工とは
飴細工とは、江戸時代から続く日本を代表する伝統芸能の1つです。90度の熱で溶けて柔らかくなった飴を鍋から取り出し、その飴が冷えて固まるまでの3~5分の間に、手や鋏(はさみ)を使って形を作り上げます。飴細工作品には動物や植物が多く、線が細かく繊細な作りをしていることから「日本らしさが感じられる」と古くから愛されてきました。
飴細工の良さは完成した作品だけでなく、作る過程で見られる職人技にもあると言えるでしょう。職人たちは、鍋から飴を取り出してからのたった3~5分間で形を作り上げなければならず、繊細な手の動きだけでなく迅速さも求められます。短時間で一気に作り上げる様子は職人技で、この素晴らしいパフォーマンスは多くの人を圧倒してきました。
また、飴を形成する工程だけでなく、形を作った後に行われる最終工程「色塗り」も醍醐味です。飴細工に使われる色素は何色も混ぜられており、1色だけでは出せない立体感を生み出しています。特に縁日でよく売られる飴細工作品の金魚は、鮮やかな赤色と黒い目玉が本物と瓜二つで、今にも泳ぎ出しそうなほどの立体感が魅力です。
昭和時代まで飴細工はお祭りや路上でよく販売されていましたが、職人の数が減ったことで、飴細工を日常的に見かけることはほとんどなくなりました。この日本の古い伝統を守るため、現在では数少ない飴細工の専門店が飴細工体験のできるワークショップを開催しています。小さな子どもから大人まで、幅広い年代に飴細工の歴史を伝えるよう尽力しているのです。
飴細工作りを体験!
今回体験したお店
今回は「飴細工 アメシン」で飴細工作り体験をしてきました!アメシンは浅草の花川戸店と東京ソラマチ店の2店舗あります。どちらの店舗でも製作実演・販売が行われていますが、体験教室は花川戸店のみでの開催です。
実際に体験してみた!
まず始めに映像で鋏の使い方を学び、その後、今回の目標である「うさぎ」の作り方を学びます。テーブルの上にも鋏の使い方やうさぎの作り方が載った資料があるので安心です。初めての人はうさぎを作りますが、2回目以降は「いぬ」や「ねこ」にも挑戦できます。
次に職人の方が丁寧に作り方をレクチャー。うさぎをつくる上での重要ポイントなどを、実際に作りながら教えてもらえます。その後、2回練習をして、本番に挑みます。
練習の時に製作したうさぎです。飴はすぐに固まってしまうため、素早い動きが重要です。また、製作中の飴は垂れてきてしまうので度々飴をひっくり返して垂れるのを防がなければならず、とにかくやることがいっぱいで大変でした!
そして本番に製作したうさぎです。一度鋏を入れてしまうと戻すことができないため、とても緊張しました。お手本のうさぎと比べると質の差は一目瞭然。改めて飴細工の難しさを体感しました。
十分に冷やして飴が固まったあとは、食用色素で目や鼻を書いていきます。その後、写真用の背景を貸していただけるので、お気に入りの壁紙を選んで撮影。壁紙があるだけで少し上品な雰囲気に見えますね!
店内には職人の方が製作した作品が販売されていました。体験する前と後では作品の見るポイントが変わっていたのに驚きました。ちなみに飴は空気を含むとだんだん白くなり、空気を含まないと透明な飴になるので、何をつくるかによって空気の量も調節しているみたいです。
注意点とマナー
小さな子どもから大人まで誰でも参加できる飴細工作り体験ですが、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
事前確認
- 写真・動画撮影の可否はお店にあらかじめ許可を取っておくようにしましょう。
- ワークショップに参加せず見学だけの付き添いがいる場合は、事前にお店に連絡をしておきましょう。
- 開催時刻の5分前には会場に到着しておきましょう。(遅れる場合は必ず連絡を)
- やむを得ずキャンセルする場合、早めにお店側へ伝えるようにしましょう。
身だしなみ
飴細工作りでは、手先を使った細かな作業をすることになります。長い爪では作業がしにくいため、できれば事前に爪を短く切っておくと良いでしょう。また、熱を使うことで室内が暑くなる可能性もあるので、特に夏場は厚着しすぎないことをおすすめします。
けが
90度以上の熱を扱う飴細工作りでは、火傷をする危険性がゼロではありません。会場では手袋を配布してくれますが、実際に作業が始まるとはかなりの熱さを感じるため、特に手先に注意しながら火傷をしないようにしましょう。また飴の形を作るときに鋏を使う場合は、鋏で手を切ってしまわないよう取り扱いに気をつける必要があります。
よくある質問Q&A
事前予約は必要ですか?
お店にもよりますが、基本的には事前予約が必要です。残席があれば当日でも受け入れてくれるケースがあるので、お店に向かう前に電話などで状況を尋ねましょう。
必要な持ち物はありますか?
手袋や鋏などの道具は会場で貸してもらえるので、基本的に必要な持ち物はありません。ただし、お子様の自由研究などを目的に訪れる場合は、職人さんの話を聞く際に使うメモ用紙や筆記用具などを持参しておくと便利です。
体験時間はどのくらいですか?
それぞれのお店や体験コースによって体験時間は異なりますが、通常の飴作りのみのコースであれば1時間前後かかるところがほとんどです。工房の見学や職人さんへの質問タイムなど、特別なオプションがついている場合は1時間以上かかることもあります。
初心者でもできますか?
飴細工体験は初心者でも十分できます。90度の熱を扱うと言うと少し危険なイメージがありますが、職人さんの指導を受けながら作業ができるため怖がる必要はありません。飴細工体験は日本文化を知る良い機会で、小さなお子様はもちろん大人でも楽しめます。「ウサギ作りコース」や「イルカ作りコース」など作品によってコースが分かれていることが多いので、興味があるコースにぜひ参加してみてください。